2013 Fiscal Year Research-status Report
新しい自己集合性ペプチドゲルを用いた3次元全層皮膚ストレッチ培養に関する研究
Project/Area Number |
24592713
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
徳山 英二郎 岡山大学, 大学病院, 医員 (90379785)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
成瀬 恵治 岡山大学, 医歯(薬)学総合研究科, 教授 (40252233)
高橋 賢 岡山大学, 医歯(薬)学総合研究科, 助教 (50432258)
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Keywords | 再生医学 |
Research Abstract |
昨年度に引き続き、皮膚線維芽細胞のscaffoldとして1型コラーゲンゲルを用いて、3次元全層培養皮膚を作成した。ストレッチ刺激を加えたもの(ST群)と、加えてないもの(NST群)とを比較した。今年度は伸展率、及び伸展期間を変化させ解析を行う予定であったが、伸展率を10%以上に設定したり、伸展期間を延長すると、かなりの頻度でシリコンチャンバーが破損してしまうという問題が発生したため、伸展率10%、伸展期間5日間での解析を行うこととした。その結果、NST軍に比べ、ST群で有意に表皮角化層が厚くなり、基底層での基底細胞密度が上昇している所見が認められた。更に、代表的な基底膜構成タンパクであるLaminin 5、Collagen IV、Collagen VIIの免疫蛍光染色を行った結果、基底層における蛍光強度がいずれのタンパクでもST群で有意に上昇していた。Western blottingでは、Laminin 5のバンドが検出できず、測定に非常に難渋したが、最終的にloadingするタンパク量を少なくすることで検出することが可能となり、培養皮膚1枚あたりのこれらのタンパク量も増加している所見が得られた。これらのことから、3次元全層培養皮膚に伸展刺激を加える事で表皮角化細胞の分化増殖が促進され、さらに基底膜構成タンパクの合成および基底層への沈着が増加し、より発達した基底膜を形成することが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
昨年度の目標であるLaminin 5とCollagen VIIのWestern blottingでの解析結果を出すことができたが、当初予定していた様々な伸展条件下での実験が、チャンバーの強度の問題で伸展率10%、伸展期間5日間のみでの解析となったため。
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Strategy for Future Research Activity |
2つの異なる細胞間のinteractionにストレッチ刺激がどのように影響を与えているかを、培地中のサイトカイン濃度をELISA法などで解析する予定である。 更に、倫理委員会に申請し、同意を得られた患者様から、手術時の余剰皮膚をご提供いただき、それを初代培養して得られた細胞での解析も行いたい。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
自己集合性ペプチドゲルを用いた培養皮膚の作成が困難であったため、コラーゲンゲルを用いたが、これが自己集合性ゲルに比べ安価であったため。 表皮角化細胞専用培地やELISAプレートが高価であるため、これらの購入のために使用する予定である。
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Research Products
(1 results)