2014 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
24592717
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Research Institution | Fukushima Medical University |
Principal Investigator |
上田 和毅 福島県立医科大学, 医学部, 教授 (40160163)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 神経再生 / 末梢神経 / 神経端側縫合 |
Outline of Annual Research Achievements |
方法:Wister系ラット20匹の顔面神経頬枝と頬骨枝を露出し、頬骨枝を切離し、その中枢端一側においては同根の頬枝に端側縫合(loop群)、他方は切離した(非loop群)ままとした。同時に頬枝と頬骨枝の合流部より中枢において神経を切断し、直ちに10-0ナイロンにて再縫合した。術後6週間で縫合部の中枢と末梢で神経を採取した。 評価:縫合部より遠位の神経を採取し、2%グルタールアルデヒド固定、エポン包埋の後トルイジンブルー染色。神経断端の軸索の数、短径を、画像解析ソフトImageJで計測した。優位差検定はウイルコクソンで行う。 結果:loop群において,神経軸索数の10%程度の増加が認められたが、軸索短径に差は認められなかった。神経軸索は端側縫合部を通じて元の神経幹に入りこむものの、臨床的な差が出るまでに多量の流入が見られなかったのは、神経幹の直径が最大受け入れ数を限定するためと考えられた。したがって、神経血管柄付き筋肉を採取する際、神経幹から分岐する枝を切離後loop型に再縫合しても神経接合部に至るneural signalは増強されない可能性が大であると言える。この研究を通じて判明したことは、傷害された神経に対して神経端側縫合によりneural signalを増強しようとする方法は、極めて限定的にしか奏効しないという事実である。現在、臨床的にしばしば行われているneural augmentationの術式に警鐘を鳴らしたい。
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