2012 Fiscal Year Research-status Report
無細胞化神経へのシュワン細胞付加法としての端側神経縫合とその応用について
Project/Area Number |
24592720
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
林 礼人 順天堂大学, 医学部, 准教授 (10365645)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
水野 博司 順天堂大学, 医学部, 教授 (80343606)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 端側神経縫合 / シュワン細胞 / 末梢神経再生 |
Research Abstract |
我々は軸索が蛍光発色するトランスジェニックマウス保有し、軸索再生を経時的に観察するLive imaging を行うことが可能であるが、今回はシュワン細胞が蛍光発色するS100-GFP mouse を利用し、今まで我々が考案し使用してきた独自の端側神経縫合モデルを用いて、シュワン細胞が端側神経縫合を通して無細胞化した移植神経内に遊走させえるか、そしてシュワン細胞を満たした無細胞化移植神経を移植する事で軸索再生を促し長い距離の軸索再生が可能かを検証する。 S100-GFP mouseをJackson laboratoryより購入したが、当施設への納期までの時間を要したため、今現在は実験を行う固体数の繁殖を行っている。そのため現在保有しているThy1-YFP mouseを用いて実験モデルの確立を目指すべく、Thy1-YFP mouseの軸索が蛍光発色のしない25~30gの固体の坐骨神経を約20mm採取し、①我々が以前報告したDonor 神経の全く無損傷な端側神経接合群、②Donor 神経の神経上膜開窓を行う群、③Donor 神経の上膜開窓神経線維部分切断を行う群、④端々縫合群のモデルが手技間による誤差が極力最低限になるように繰り返し行った。ようやく繁殖しはじめたS100-GFP mouseの中から蛍光発色している25~30gのS100-GFP mouseから数本の坐骨神経を採取し組織保存液であるWisconsin solutionを用いて7週間冷蔵保存しcold preservationすることにより全く抗原性を有しない無細胞化移植神経を作成しはじめた段階である。その過程を今現在は1週毎にlive imagingにて蛍光発色のGFPの強度の程度を観察しながら、無細胞化に至る過程を確認しながら7週間冷蔵保存しS100-GFP mouseでのモデル作成が始まる段階である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
実験計画で遂行予定であった初年度でのS100-GFP mouseで作成したモデルをlive imagingで評価を行う事は出来ていない。理由としてJackson laboratoryから購入し当施設までの搬入に時間を要し、今現在、施設内で繁殖を行い個体数を増やしている段階である。そのため神経軸索の再生を確認する目的で使用予定であるThy1-YFPを用いてのモデル作成を着手しそれぞれの端側神経縫合モデルの手技習得を行った。ようやく繁殖しはじめた固体の中から蛍光発色している25~30gのS100-GFP mouseから数本の坐骨神経を採取し組織保存液であるWisconsin solutionを用いて7週間冷蔵保存しcold preservationすることにより全く抗原性を有しない無細胞化移植神経を作成しはじめた段階である。その過程を今現在は1週毎にlive imagingにて蛍光発色のGFPの強度の程度を観察しながら、無細胞化に至る過程を確認しながら7週間冷蔵保存しS100-GFP mouseでのモデル作成が始まる段階である。
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Strategy for Future Research Activity |
平成25年度は初年度の遅れを取り戻せる様に計画の変更を行う。端側神経縫合が移植神経内のシュワン細胞の遊走にどのように影響を与えるかを評価する為、①Donor 神経の全く無損傷な端側神経接合群4②Donor 神経の神経上膜開窓を行う群 ③Donor 神経の上膜開窓神経線維部分切断を行う群とに分けて行ない、比較群として④端々縫合群と⑤コントロールとしての無縫合群を作成する。移植神経部は移植から5日毎に開創し、蛍光実体顕微鏡下で移植神経内に遊走するGFPを観察し、GFPの強度や範囲を測定することで(Live imaging)、同一マウス内でのシュワン細胞の遊走の早さや遊走距離などを評価・比較する。神経縫合10 日後、30 日後に移植神経を採取、移植神経の横断面及び縦断面のGFP シュワン細胞を蛍光実体顕微鏡や共焦点レーザー顕微鏡下で観察することで、遊走シュワン細胞の形態学的な評価を行う。また、神経縫合部を採取し、シュワン細胞遊走関連シグナルであるNeuregulin やErbB についてウエスタンプロットを用いて定量的に評価し、それを形態学的に実際に確認出来たGFP シュワン細胞の定量的評価と比較検討し、縫合手技間の相違について検討を行う。そしてそれらの縫合方法の中でシュワン細胞の遊走に最も効果的であたと思われるモデルを用い、どの程度の長さまで遊走が可能か、さらに移植神経の両端を端側神経縫合を行った場合にはどうかも上記と同様に評価を行い実際にThy1-YFP mouseに無細胞化した移植神経を移植し、それまでの実験でシュワン細胞の遊走に充分と判断された日にちを経てから、対側の坐骨神経に5mm の欠損を作成して移植する。Live imaging にて5日毎の再生神経の様子を観察するとともに、移植後15日、30日での移植神経中央での再生神経の形態学的評価を光学顕微鏡下で行い比較する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
次年度の研究費予算は80万で、研究運用費としては40万を予定している。その内訳としては、トランスジェニックマウスの繁殖や飼育代に10万、薬品・試薬・抗体類・備品の追加購入に10万、免疫染色や共焦点レーザー顕微鏡などの標本作成費に10万、モデル作成時の神経縫合に必要なマイクロ縫合糸の購入に10万の計40万を消耗品費として予定している。 そして、当研究内容の成果に関しては適宜学会での経過報告を予定しており、そのための学会への参加費や、また同じ末梢神経再生分野での更なる新しい知見を深めていくため、国内外の形成外科学会の基礎学会や末梢神経関連の学会への参加を予定しておりその旅費や通信費に残りの予算の40万の使用を予定している。
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Research Products
(12 results)