2014 Fiscal Year Annual Research Report
ケロイド発生におけるWnt5aシグナル伝達機構の解明と分子標的治療への応用
Project/Area Number |
24592722
|
Research Institution | Nippon Medical School |
Principal Investigator |
M GHAZIZADEH 日本医科大学, 医学部, 非常勤講師 (30190979)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
土佐 眞美子 日本医科大学, 医学部, 講師 (30301568)
清水 一 日本医科大学, 付置研究所, その他 (60398873) [Withdrawn]
村上 正洋 日本医科大学, 医学部, 准教授 (00239500)
|
Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
|
Keywords | keloid / Wnt signaling / β-catenin / EMT |
Outline of Annual Research Achievements |
【目的】今回の研究目的は、ケロイド発生におけるWnシグナル伝達経路を解析し詳細な機能を検索することである。 【材料と方法】1)ケロイド由来線維芽細胞(KF)および正常皮膚由来線維芽細胞(NF)を分離培養し、リコンビナントWnt5aペプチドで刺激した。それぞれの線維芽細胞のβ-カテニン、リン酸化β-カテニン(Ser33/37/Thr41)、リン酸化GSK3-βをウェスタンブロット法にて解析した。2) 免疫組織化学染色法を用いてケロイドおよび正常皮膚組織のepithelial-mesenchymal transition (EMT) を検索した。3)Wntシグナルの刺激・抑制前後のケロイドおよびケロイド由来線維芽細胞(KF)と正常皮膚由来線維芽細胞(NF)からRNAを抽出し、RT2 Profiler PCR Arrayを用いてWntシグナル伝達経路に関する84遺伝子発現を比較検討した。 【結果】リコンビナントWnt5aペプチドを添加した結果、β-カテニン、リン酸化β-カテニン(Ser33/37/Thr41)、リン酸化GSK3-βの発現は、NF、KF双方において著明に増加した。その一方で、リン酸化β-カテニン(非依存β-カテニン非依存的経路:Ser45/Thr41)、全GSK3-βの発現はWnt5a添加による影響を受けなかった。また、ケロイド表皮にビメンチン陽性細胞を認めた。Wntシグナル経路に関する84遺伝子発現の比較検討により、PITX2, WNT9A, ACTBを含んだ数個の遺伝子発現の増加が認められた。 【結語】ケロイド発生において、WntシグナルのWnt5a/β-カテニン経路が関与している可能性が示唆された。また、EMTの可能性も示唆された。
|
Research Products
(2 results)