2013 Fiscal Year Research-status Report
電気穿孔法によるサイトカインの経皮、経潰瘍底導入効果についての実験的研究
Project/Area Number |
24592724
|
Research Institution | Kansai Medical University |
Principal Investigator |
楠本 健司 関西医科大学, 医学部, 教授 (20161630)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
覚道 奈津子 関西医科大学, 医学部, 助教 (00509490)
|
Keywords | PRP / cytokine / electroporation / regenerative medicine / skin / skin ulcer / 電圧 / パルス |
Research Abstract |
本実験研究では、電気穿孔法(以下、EP法)を用いて、経皮、経潰瘍底に薬剤、特に目的とするサイトカインを浸透させる検討を進めている。皮膚構造には最上層に角層があり、分子量の大きいものは透過させないバリアーでもある。ここに一定のパルス、電圧を付加することで、経皮的に分子量が20-100kDレベルの物質を透過させる可能性を引き出すことから、治療目的にサイトカインの導入の確認を進めている。目的は、将来の臨床にて、無侵襲で局所サイトカイン療法として、このEP法を応用して難治性潰瘍や褥瘡などの慢性創傷や創傷の治療に役立つことを考慮している。これらの治療対象は、元来難治であり、医療領域や社会においても大きな問題となっている。今回進めている実験過程では、ラット皮膚を用いての実験から開始しており、電圧とパルス幅を調整しながら至適条件を検討中である。当初より予定していたEP機器(MesoDerm, MICROLAB, Italy)は元来ヒトの正常皮膚が対象であり、第1段階の検討ではラット皮膚を用いていることから、ラット正常皮膚ではさらに高電圧が、ラット皮膚潰瘍底ではさらに低電圧が適切である可能性があり、機器作動の調節に広い調製レンジを持つ必要がある。これらを含めた検討を進めている。実験研究は、少々遅れているが、この電圧、パルス幅設定の段階が本実験の基盤であり、この条件設定が整うと、さらに次なるヒト皮膚の検討にスムーズに進むことが出来るものと考えている。着実に適切な条件設定を行う予定である。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
ヒト皮膚の専用機器にて電気穿孔を第1段階の対象であるラット皮膚に適用している。ラット皮膚は、角層が厚く皮膚構造もヒトと異なる。そのため、そのサイトカインの導入効率性を検討中であるが、皮膚、潰瘍底を対象とした場合の電圧、パルス幅に大きな幅を生じている。この調製を安定的に行うために各種条件を調整中である。
|
Strategy for Future Research Activity |
電気穿孔法の電圧、パルス幅の条件設定を急ぎ行う。この後に、ヒト皮膚を対象とする実験に進み、計画通りヒトでの検討成果を挙げることを目指す。
|
Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
電気穿孔法の使用機器がヒト皮膚が標準であり、これを実験研究の第1段階としてラット皮膚を使用している。そのためこの電圧、パルス幅の調整に時間を要しつつ実験研究を進めており、少しの遅れを生じている。ただし、この調整もレンジ幅をほぼ想定調整できて来つつあるため、次の段階に進む目処が立っている。 上記の若干の遅延の回復の目処があり、次の段階である実験対象としてヒト皮膚に進むことが出来、本来の実験研究段階を進めることが出来るため、前年度未使用額が本来通りの実験内容に有効に使用できる。
|
Research Products
(16 results)