2013 Fiscal Year Research-status Report
一酸化炭素局所投与による熱傷後敗血症の生存率向上効果の検討
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24592727
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
赤松 順寛 東北大学, 医学(系)研究科(研究院), 非常勤講師 (50302112)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山内 聡 東北大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (00307638)
久志本 成樹 東北大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (50195434)
藤田 基生 東北大学, 大学病院, 助教 (80579756)
宮川 乃理子 東北大学, 大学病院, 助手 (10535074)
矢野 寿一 東北大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (20374944)
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Keywords | 熱傷 / second hit phenomenon / 一酸化炭素 |
Research Abstract |
H25年度は前年度予備実験で確立したIII度熱傷マウスモデルを基に引き続き熱傷後にTwo hit phenomenonを再現するため局所塗布や非熱傷部位への接種によるsecond hitで死亡する感染モデル確立の実験を行った。感染起因菌として用いるMRSAや緑膿菌の菌種を前稿論文を参考に検討し、人道的エンドポイントを留意しながら生存期間を確認、難渋するも接種量や感染菌量調整に取り組み適正量を検討した。 さらに本研究目的である熱傷創部への一酸化炭素(CO)早期局所投与による免疫力保持や抗菌効果を得るため有害なく被覆材として管理可能となるようCOをCOガスおよびCO放出物質・CORM2で適正濃度を作成し、各CO放出能を血液ガス機器を用いてCOHbでの評価を試みた。 CORM2において対照群をiCORMとし、実験群を①control群1)剃毛のみ2)iCORMのみ ②熱傷群1)CORM2 2)iCORM ③感染群(緑膿菌塗布)1)CORM2 2)iCORMの6群に分けた。iCORM2はDIMSOに溶解したCROM2のstock solutionを生食にて目的濃度に調整した後、18時間放置して大気にCOを放出させて作成した。各実験群において、III度熱傷創部にCORM2含有ワセリンを連日塗布し、創部の経時的変化を確認し、連日写真撮影して記録すると共に創治癒効果や生存率への影響を検証した。同時にSecond hitによる臓器不全への影響を解析するため血液、肝臓、心臓などの臓器を摘出し検体採取し保存した。以上約120匹のマウスを用いて検証した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
Second hit phenomenonを再現する熱傷+感染モデルをマウスを用いて作成するのに時間を要した事と、毎日の熱傷局所処置を行う事が、当初の予想よりも手間と時間を要した。又、安定的な細菌感染を熱傷局所に与える事も予想より難しく、試行錯誤を繰り返した。 一酸化炭素を溶媒に溶解させその溶解一酸化炭素を定量したところ、微量にしか溶解せず効果が疑われたため、CORM2を用いた一酸化炭素投与に変更を行なう等、実験方法を変更したため大幅に遅れが生じた。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は熱傷後のSecond hitに対する免疫力減弱を反映するサイトカイン測定やCOによる臓器不全への影響を解析し、主要臓器におけるミトコンドリア機能・バイオジュネシスを中心とした分子生物学的解析を行う予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
現在の到達度の欄にも記載したが、モデル作成の段階で大幅に遅れが生じている為、タンパク解析、病理解析等が未施行である。従って、解析に使用する薬剤やキットを購入していない事により次年度使用額が生じている。 モデル作成、確立が出来つつあるので、CORM/一酸化炭素の局所投与の全身的、局所的影響をまず平易な解析(生化学検査、HE染色による病理検査、ELISAキットを用いたサイトカイン解析、TUNELによるアポトーシス解析等)を行う。もし、それらの検討によりCORM/一酸化炭素の局所投与の有効性が示された場合、更にミトコンドリア機能、バイオジェネシスの解析をすすめる予定である。
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