2012 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
24592728
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
黒田 宙 東北大学, 大学病院, 助教 (70463784)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 前向き研究 |
Research Abstract |
本研究の目的は,間欠型一酸化炭素(CO)中毒発症の危険因子を明らかにし,その早期診断・予後予測方法を確立すること,および酸化ストレス応答に着目し間欠型CO中毒の発症機序を解明することである. 平成24年度研究計画は,東北大学病院高度救命救急センターに入院した急性CO中毒患者のうち研究への同意が得られた患者に対し,1.対象患者の臨床情報,血液・髄液検査,頭部画像検査の経時的解析,2.対象患者の頭部拡散テンソル画像(DTI),1H-MRスペクトロスコピー(MRS)の経時的撮影・解析,3.上記1,2の結果をもとに急性CO中毒患者のリスク層別化とフォローアップ法を策定,4.CO中毒時における酸化ストレスの評価を目的とする血中・髄液中HO-1濃度測定の4項目であった. 当該年度中に上記計画に組み入れられた新規患者は14名で,前向き研究開始後の累積患者数は94名となった.1の臨床・検査データ取得は14名全てで行われ,2については8名について経時的フォローが行われた.3についてはこれまでの結果をもとに現在試案を策定中である.4については間欠型CO中毒発症者(7名)と非発症者(8名)について保存髄液でHO-1測定を行い,値に統計学的有意差が認められた. これまでに得られた知見については,平成25年3月16~23日に行われた米国神経学会(サンディエゴ)で口演発表し,現在その結果を英語論文として執筆中である.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本年度中に組み入れられた新規患者は14名で,そのうち間欠型CO中毒発症者は3名であった.研究計画では,臨床症状・血液・髄液・頭部MRI・DTI・MRSすべてを施行したフルスタディ患者として間欠型発症者20名,非発症者40名を予定しているが,現時点でのフルスタディ患者数は間欠型発症16名,非発症16名となっている.発症者の組み入れは比較的順調であるが,非発症者の組み入れ率がやや低く,これが研究の遅れにつながっている.ただし,急性CO中毒患者のうち,絶対数は非発症者の方が多いため,挽回可能な遅れと思われる.
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Strategy for Future Research Activity |
研究計画の通りに,患者組み入れ・解析を行っていく.間欠型CO中毒発症者の組み入れが20名に達したところで,急性CO中毒患者のリスク層別化とフォローアップ法を試案を策定し,救急分野の学会等で発表する予定である.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
次年度使用額は,当初計画していた年間あたりの組み入れ患者数よりも実際の組み入れ患者数が少なかったために生じた未使用額であり,平成25年度請求額とあわせ,平成25年度の研究遂行に使用する予定である.
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