2013 Fiscal Year Research-status Report
急性肝不全における新たな早期酸化ストレスマーカーNrf2
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24592735
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
清水 裕子 岡山大学, 医学部, 客員研究員 (80423284)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森田 潔 岡山大学, 医歯(薬)学総合研究科, 教授 (40108171)
高橋 徹 岡山県立大学, 保健福祉学部, 教授 (40252952)
森松 博史 岡山大学, 医歯(薬)学総合研究科, 教授 (30379797)
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Keywords | 集中治療学 / 急性肝傷害 / 酸化ストレス / Nrf2 / オートファジー / ヘムオキシゲナーゼ / Bach1 / 四塩化炭素 |
Research Abstract |
申請者らはこれまでの研究で、急性臓器不全の細胞障害には酸化ストレスが関与し、細胞保護作用を持つストレス蛋白 Heme Oxygenase (HO)-1や、その発現を抑制的に制御する転写調節因子であるBach1 mRNAが急性肝不全において肝細胞に誘導されることを報告してきた。最近、活性酸素などの酸化ストレスにより活性化される転写因子Nrf2は、Bach1と相互作用しHO-1などの抗酸化タンパク質遺伝子の発現を強力に活性化するとともに、タンパク分解経路の一つであるオートファージー(自食作用)にも関与し細胞傷害を制御していることが報告された。本研究では、急性肝不全のより鋭敏で早期に感知できる酸化ストレスマーカーとしてのNrf2の有用性を検討するとともに、肝傷害重症化機序のさらなる解明のため、肝傷害と Nrf2、オートファジーの関係をin vivo、in vitroさらにはヒト肝不全症例において明らかにする。 H24年度は、四塩化炭素(CCl4)暴露ラット劇症肝炎モデルの肝臓おいてNrf2が酸化ストレスマーカーとして使えるかNrf2の発現動態を遺伝子レベルで検討した。 H25年度はCCl4暴露ラット劇症肝炎モデルと、より劇症肝傷害となるフェノバルビタール(PB)水を事前に5日間飲水させたCCl4暴露ラット劇症肝炎モデルを作成し遺伝子レベル(Norther blot法)、タンパクレベル(Western blot法)で検討した。PB水前投与CCl4暴露ラット劇症肝炎モデルの方がCCl4暴露ラット劇症肝炎モデルより更に、Nrf2 mRNAが6時間をピークとして強誘導された。CCl4暴露ラット劇症肝炎モデルの肝Nrf2タンパク発現は経時的に明らかな傾向がとらえられなかった。PB水前投与CCl4暴露ラット劇症肝炎モデルでは肝Nrf2タンパク発現は核ではCCl4投与後1時間で上昇する傾向がみられた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
CCl4投与モデルではNrf2タンパクの動態を肝組織を核とサイトゾルに分離しWestern blot法で検討したが、明きらかな傾向がとらえにくく、フェノバルビタール水前投与してより重篤な肝傷害モデルで検討する必要があったため、予定よりやや実験がおくれている。
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Strategy for Future Research Activity |
H26年度は、CCl4暴露ラット劇症肝炎モデルにおける肝のNrf2の発現をタンパクレベルでの検討をさらに続ける。 また、肝傷害重症化の機序を明らかにする目的で肝傷害の程度とオートファジーの関与を検討する。臓器傷害の重症化とオートファジーの関係を調べるために、オートファジーをモニターできるオートファゴソーム蛍光標識マウス(GFP-LC3#53)にCCl4投与しオートファジーの有無を組織学的に検討。更に重症肝傷害モデルを作成するために、p450を強誘導するフェノバルビタール (PB) や、細胞保護作用を持つheme oxygenase (HO) を拮抗阻害するスズメゾポルフィリン (SnMP) を前投与したCCl4投与GFPLC3マウスモデルにおいて、肝傷害の程度とNrf2、オートファジーの関係を遺伝子レベル、タンパクレベルで検討する。具体的には、オートファゴソーム蛍光標識マウス (GFP-LC3#53) を用い、CCl4投与群、PB前投与+CCl4投与群、SnMP前投与+CCl4投与群、vehicle群、各群10匹ずつ以下の検討をおこなう。 1. 肝傷害重症化とオートファジーの関与を組織学的(蛍光顕微鏡、電子顕微鏡)に証明する。 2. Western blot法にてNrf2、Keap1、p62の動態とオートファジーのモニタリング抗体LC3-I, IIを定量的に検討する。 3. また、肝傷害の程度をMDA活性、血清 ALT値、組織学的検討により評価し、オートファジー不全時に過発現するといわれるp62が肝傷害の程度によりいかに変化するかNrf2の発現とともに比較検討する。
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Research Products
(4 results)