2013 Fiscal Year Research-status Report
口腔・顔面の痛覚異常とニューロン-グリア相互作用に関する研究
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24592764
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
寺山 隆司 岡山大学, 医歯(薬)学総合研究科, 准教授 (60333689)
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Keywords | 神経損傷 / 痛覚異常 / グリア細胞 / ニューロン / 三叉神経知覚核群 |
Research Abstract |
本研究では末梢神経損傷によって起こる痛覚異常に中枢神経系でのニューロンの興奮性の変化やグリア細胞の活性化がどのように関与しているのかを三叉神経系や脊髄神経系で検討している。昨年度までに、末梢神経損傷後に起こるニューロンの興奮性の変化について検討し、損傷した神経を刺激する場合と損傷した神経に近接する神経を刺激する場合でそれぞれ異なる様式の興奮性の変化が中枢2次ニューロンで起こっていることを明らかにした。本年度は、まず昨年度から引き続き行っている末梢神経損傷による中枢2次ニューロンの過剰興奮に対するアデノシンA1受容体アゴニスト2-chloro-N(6)-cyclopentyladenosine (CCPA)の末梢投与の効果の検討において、CCPAが損傷を受けた周囲の神経の異常な興奮伝達を抑制することで中枢2次ニューロンの過剰興奮が抑制される結果が得られた。この研究成果は学術雑誌 International Journal of Neuroscience に掲載された。次に、神経損傷後の中枢神経系における興奮性の変化には神経損傷によって支配領域を失った神経の中枢投射部位での収斂投射が関与していることを三叉神経系および脊髄神経系を用いた実験で明らかにした。この実験系において昨年度問題となっていた口腔内への侵害刺激の方法においてカプサイシンの口腔内塗布による行動学的指標が確立し、現在学術雑誌に投稿中である。また本年度までに得られた結果を含めて、招待講演(歯科基礎医学会学術大会)を行う機会にも恵まれた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本年度は、末梢神経損傷によって起こる中枢神経系の変化にグリア細胞の活性化が関与していることを検討する予定であったが、十分に達成できたとは言いきれない。その理由は、収斂投射に関する研究で口腔内への侵害刺激に問題があり、刺激方法を変更しこれを再度行うのに時間を要したためである。
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Strategy for Future Research Activity |
上記のように口腔内への侵害刺激として当初ホルマリン注射を行っていたが、その代わりにカプサイシンの口腔内塗布を行い、その方法を確立することができた。この方法を用いて収斂投射の実験を行った成果を学会で発表するとともに学術論文に投稿する予定である。さらにこれらの実験結果を踏まえ、グリア細胞の活性化がニューロンの興奮性の変化および痛覚異常にどのように関与しているのかを早急に検討する予定である。そのために、末梢神経損傷によって起こるグリア細胞の活性化と収斂投射や異常興奮が起こっているニューロンを組織学的に検出し、両者の関連を検討するとともに、ミクログリアおよびアストロサイトの抑制剤を投与することで、収斂投射や異常興奮が抑制できるのかを検討する予定である。
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Research Products
(4 results)