2012 Fiscal Year Research-status Report
口腔扁平上皮癌における新規癌抑制遺伝子RIZの機能解析
Project/Area Number |
24592766
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
玉村 亮 岡山大学, 医歯(薬)学総合研究科, 助教 (00403494)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
長塚 仁 岡山大学, 医歯(薬)学総合研究科, 教授 (70237535)
辻極 秀次 岡山大学, 医歯(薬)学総合研究科, 准教授 (70335628)
片瀬 直樹 岡山大学, 医歯(薬)学総合研究科, 助教 (30566071)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 口腔癌 / 癌抑制遺伝子 / 扁平上皮癌 |
Research Abstract |
口腔扁平上皮癌における網羅的なLOH 検索から染色体1p36 領域に重要な癌抑制遺伝子が存在する可能性を明らかにし、さらに詳細な解析を行った結果、本染色体領域に複数の癌抑制遺伝子候補を同定した。本研究では同定された候補遺伝子において最も高頻度にLOH を認めた領域に存在するR I Z 遺伝子に焦点を絞り、機能解析を行う。本研究により得られる知見は口腔癌発生メカニズムの解明の一助となるとともに、臨床応用に繋がるものとなり得る。 本年度は、ヒト腫瘍材料を用いてRIZ遺伝子に関するフレームシフト変異の有無、Single nucleotide polymorphism (SNP)解析の結果と臨床データの相関を比較し口腔扁平上皮癌発生への関与について検討した。 抽出されたDNA試料51例を用いて、poly A8 およびpoly A9トラックのフレームシフト変異の有無を検索した結果、両トラックにおけるフレームシフト変異は認められなかった。SNP解析ではexon8でのP704 deletion、Asp283Glu polymorphismを検索し、それぞれ4例と16例においてSNPを認めた。 二つのSNPの有無と臨床データとの相関を検討した結果、年齢や性別、過去の癌の既往などの臨床的項目、分化度などの病理組織学的特徴との関連は認められなかった。生存分析においては、いずれも統計学的な有意差は認められなかったものの、P704polymorphismを有する群は、wild type群よりも無疾患生存率、期間生存率ともに長い傾向を示した。また、Asp283Glu polymporphism群は、wild type群に比較して、無疾患生存率、期間生存率ともに短い傾向を示した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
実施計画に基づき研究が進行しており、おおむね順調に進展していると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
口腔扁平上皮癌細胞株におけるR I Z の機能解析を行っていく。 1)細胞株におけるRIZ 遺伝子発現解析 口腔扁平上皮癌細胞株(HSC2, HSC4, Ca9-22, SCCTF)におけるRIZ のmRNA 発現、mutation解析および蛋白発現量を確認する。 2)機能解析 遺伝子発現ベクターを用いた過剰発現、siRNA による発現抑制 RIZ 遺伝子低発現株または非発現株に発現ベクターをトランスフェクションし、過剰発現による影響を検討する。一方、RIZ 遺伝子高発現株においてはsiRNA により遺伝子の発現抑制を行い、細胞への影響を検討する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
次年度に設備・備品の購入は予定していない。口腔扁平上皮癌細胞株を用いた研究を中心に行っていく予定であり、消耗品に関しては培地等培養関連の試薬、トランスフェクション関連試薬、PCR等関連試薬を購入するための経費が必要である。特に培養関連の試薬購入が必要となる。旅費に関しては、歯科基礎医学会(千葉ー岡山)や日本口腔外科学会(千葉ー鹿児島)での成果発表、資料収集を予定している。また、代表者の所属変更に伴い、研究分担者との研究打合せ(千葉ー岡山)も必要である。
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