2013 Fiscal Year Research-status Report
骨芽細胞と象牙芽細胞の突起形成におけるRunx2と関連因子の分子形態学的機能解析
Project/Area Number |
24592771
|
Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
宮崎 敏博 長崎大学, 医歯(薬)学総合研究科, 准教授 (10174161)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森石 武史 長崎大学, 医歯(薬)学総合研究科, 助教 (20380983)
馬場 友巳 長崎大学, 医歯(薬)学総合研究科, 助教 (60189727)
|
Keywords | Runx2 / 骨芽細胞 / 象牙芽細胞 / 突起形成 / 免疫電子顕微鏡 / マイクロアレイ / 免疫組織化学 |
Research Abstract |
本研究は、骨芽細胞分化に必須の転写因子Runx2が、研究代表者のこれまでの研究によって骨芽細胞や象牙芽細胞の突起形成に関与することが示唆されたため、Runx2と骨芽細胞・象牙芽細胞の分化マーカーの発現と突起形成との関連性を免疫電子顕微鏡的に解析するとともに、突起形成が失われたTg(Col1a1Runx2)マウスを用いて、マイクロアレイによる突起形成関連遺伝子を検索することを目的として研究を行っている。 これまでの結果として、突起形成前の骨芽細胞・象牙芽細胞におけるRunx2とオステオポンチンの発現と突起形成開始後におけるRunx2とオステオポンチンの発現の減少、また、象牙芽細胞突起形成後の象牙質シアロリンタンパク質(DSPP)と中間径フィラメント・ネスチンの発現が電子顕微鏡的にも明らかになった。オステオカルシン、DMP-1やOsterix等の因子については、方法論的検討を継続中である。また、Tg(Col1a1Runx2)マウスと突起構造を持つ野生型マウスとの間でのマイクロアレイによる変動発現遺伝子を検索し、細胞骨格関連因子を中心に解析を行った結果、特に象牙芽細胞における有力な突起形成候補遺伝子を数種類絞ることができた。現在、Real time PCR、ウエスタンブロッティング、免疫組織化学、免疫電子顕微鏡、および in situ hybridization によりそれらの発現の再現性や歯牙組織における局在を詳細に解析中である。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究実績の概要に記載したように、免疫電子顕微鏡解析に関しては主要な因子については十分に解析が進んでいる。しかしながら、元来組織学的試料作成の困難な硬組織が研究対象であるため、抗体の質の問題とともに未だ方法論的改善の必要は大きい。このことは当初からの想定内のことであり,全体的な進捗状況としては問題ない。また、マイクロアレイによる遺伝子解析についても概要に示したとおり、特に象牙芽細胞について順調に進行している。
|
Strategy for Future Research Activity |
概要と達成度の欄に記載した内容に基づき、1)Runx2と骨芽細胞・象牙芽細胞分化マーカー因子発現と突起形成との関連に関する電子顕微鏡解析をより良く改善して結論づけ、2)マイクロアレイから抽出した象牙芽細胞における突起形成関連候補因子に関する各種解析をまとめて論文にし、また、3)遅れている骨芽細胞におけるマイクロアレイ解析の検討を継続して行う。
|
Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
今年度はマイクロアレイ解析により得られた変動因子の組織学的解析に重点を置いて集中的に実験を行ったため、試薬・器具類に関して新規購入を抑えることができた。解析結果の再現性を確証するため、次年度の特に前半において高額な費用を要するマイクロアレイ解析実験や抗体を必要とする実験などを集中的に行いたいため,次年度使用額が生じた。 これまでの解析結果の再現性をとるために、主として、マイクロアレイ解析、Real time PCR、免疫組織化学用の消耗品購入に充てる。また、研究発表、論文作成、投稿のための費用に使用する。
|