2014 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
24592772
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Research Institution | University of Miyazaki |
Principal Investigator |
井川 加織 宮崎大学, 医学部, 助教 (90423722)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
兼田 加珠子(中島加珠子) 大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (00533209)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 骨分化 / 転写因子 |
Outline of Annual Research Achievements |
MEL1/PRDM16のホモ欠損マウスは胎性致死である。MEL1/PRDM16の役割を解析する為に、ヘテロ欠損マウスの臓器における発現レベルを比較した結果、表現形の見られる臓器(眼球、骨、肝臓等)に高発現していることが確認された。致死に至るメカニズムの解明のため、胎児肝を用いたコロニー形成能を比較した結果、ホモマウスに置いて有意な低下が見られ、致死に至るメカニズムの一つが、造血不良であることが明らかとなった。次に、MEL1欠損マウスの発達障害、骨軟骨形成不全の解析を目的として、体重、骨格の形態観察を行った。ヘテロ欠損マウスの方がやや成育不良傾向にあったが、成体の野生型とヘテロ欠損マウスとの間には有意な体重の違いは認められなかった。しかしながら、骨組織における骨形態の変化を計測したところ、骨密度と骨塩量が低下しており、明らかな軟骨形成異常も観察された。つまり、本遺伝子は硬骨のみならず軟骨分化に重要な役割を果たす遺伝子であることが示唆された。 MEL1/PRDM16は未分化段階の骨軟骨細胞株における発現が低く、分化段階において発現の増強が認められた。また、ATDC5細胞を用いた分化誘導実験において、MEL1/PRDM16発現抑制株では、明らかに分化マーカーの発現に異常が認められた。さらに、軟骨細胞及び骨芽細胞の分化段階におけるMEL1/PRDM16及び関連遺伝子の発現を検討した結果、本遺伝子がRunx2の上流のNkx3.2を制御することにより、Runx2の転写制御を行っている可能性が示唆された。また、MEL1/PRDM16の局在は軟骨分化と硬骨分化において異なり、本遺伝子の機能が骨芽細胞と軟骨細胞において異なることが示され、本遺伝子が骨軟骨分化のスイッチング遺伝子である可能性が示唆された。以上のことよりMEL1/PRDM16は骨軟骨分化の早期に機能する遺伝子であると考えられた。
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Research Products
(1 results)