2012 Fiscal Year Research-status Report
味蕾の甘味情報伝達系におけるアディポネクチンの機能解明
Project/Area Number |
24592773
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Research Institution | Kyushu Dental College |
Principal Investigator |
豊野 孝 九州歯科大学, 歯学部, 助教 (10311929)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
豊島 邦昭 九州歯科大学, 歯学部, 教授 (10112559)
瀬田 祐司 九州歯科大学, 歯学部, 准教授 (90291616)
片岡 真司 九州歯科大学, 歯学部, 助教 (80364149)
|
Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
|
Keywords | 味蕾 / アディポネクチン / AdipoR1 / 有郭乳頭 |
Research Abstract |
中枢においてアディポネクチンはレプチンと協調して摂食を調節していると考えられている。一方、味蕾においてはレプチンがレプチン受容体を介して甘味応答を調節していることが明らかになっている。しかしながら、アディポネクチンおよびアディポネクチン受容体(AdipoR1,AdipoR2)の味蕾での機能は明らかになっていない。そこで、本研究では味蕾でのアディポネクチン受容体の機能解明を目的として、AdipoR1およびAdipoR2のマウス味蕾での発現様式を調べた。 RT-PCR法によりマウス有郭乳頭におけるAdipoR1およびAdipoR2の発現を調べた所、 両者が発現していることが明らかになった。次に、マウス有郭乳頭および葉状乳頭から全蛋白質の抽出を行い、Western blotting 法により両受容体蛋白質の発現を調べた結果、AdipoR1蛋白質の発現が認められた。そこで有郭乳頭におけるAdipoR1の局在を蛍光抗体法により調べた。その結果、AdipoR1は味蕾の味毛、味蕾基底部の細胞およびその周囲の細胞に局在が認められた。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究では味蕾でのアディポネクチン受容体の機能解明を目的として行っている。その第一段階として、本年度はAdipoR1およびAdipoR2のマウス味蕾での発現様式を調べた。 その結果、マウス有郭乳頭においてAdipoR1およびAdipoR2が発現していることをRT-PCR法により明らかにした。さらに、蛋白質レベルではAdipoR1のみがマウス有郭乳頭で発現していることをWestern blotting 法により明らかにしている。そこで有郭乳頭におけるAdipoR1の局在を蛍光抗体法により調べた。その結果、AdipoR1は味蕾の味毛、味蕾基底部の細胞およびその周囲の細胞での局在を明らかにしている。 これらの研究の結果、マウス味蕾での発現様式が明らかになったことから、本年度の研究目的はおおむね達成できたと考えられた。
|
Strategy for Future Research Activity |
味蕾におけるアディポネクチンおよびAdipoR1の機能解析を以下の内容で行う。 (1) 味蕾でのAdipoR1発現量が、摂食状態に応じて制御されているかを調べる。(2) 肥満マウスへのアディポネクチン投与による甘味感受性への影響を調べる。(3) 初代味蕾培養細胞を用いて、甘味情報伝達系およびアディポネクチンとの関係を調べる。(4) 初代味蕾培養細胞を用いて、甘味情報伝達系およびAdipoR1との関係を調べる。
|
Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
上記推進方策を遂行していく上で必要な機器、試薬の購入および、学会発表に必要な旅費などを使用予定である。主な支出予定を以下に列記する。[機器] 遺伝子導入装置 Neon Transfection System (MPK5000) 720,000円 [試薬] RNAi法(Validated Stealth RNAi) 77,000円、遺伝子導入試薬(Transfection System Kit) 55,000円、抗APPL1抗体, 抗AMPKα抗体, 抗リン酸化AMPKα抗体, 抗ACC抗体, 抗リン酸化ACC (上記抗体合計203,000円)、細胞培養用試薬 60,000円、プラスチック器具 65,000円 [旅費] 120,000円 [人件費・謝金] 100,000円
|