2012 Fiscal Year Research-status Report
細胞遊走を制御する分子メカニズムとヘルトビッヒ上皮鞘の伸長との関係
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24592776
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Iwate Medical University |
Principal Investigator |
藤原 尚樹 岩手医科大学, 歯学部, 講師 (20190100)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
帖佐 直幸 岩手医科大学, 歯学部, 助教 (80326694)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | ヘルトヴィッヒ上皮鞘 / HERS / Rho signaling / コンディショナルノックアウトマウス |
Research Abstract |
本研究で計画した4つの実験のうち、本年度は<実験1> のin vivo HERSにおけるRho シグナリング因子の発現パターンの検証と<実験4>のタモキシフェン(TF)誘導型トランスジェニック(Tg)マウスの確立と、このTgマウスを用いたRho シグナリングとHERS形成との関係について解析を行った。 <実験1>:HERS分化前である生後2日、分化直後である6日、HERSが見られる10日、歯根の伸長途上である14日のマウス下顎第一臼歯を下顎骨ごと摘出し、急速凍結にて未固定・未脱灰のまま包埋し、Film transfer法にて6μmの凍結切片を作成した。RhoA, RhoB, ROCK1, Active RhoAなどの発現パターンを免疫組織化学的に蛍光顕微鏡で確認し、HERSを含むエナメル上皮に発現していることを確認した。<実験4>:(1)Jackson Laboratoryから購入したTF誘導型サイトケラチン14(K14) promoter-cre マウスと、理化学研究所バイオリソースセンターより分与を受けたfloxed RhoA dominant negative (DN) mice, Floxed ROCK DN miceを交配し、それぞれのコンディショナルノックアウトマウスの作成を進めており、同時にそれらマウスから摘出した歯胚の表現型について組織学的手法にて解析中である。(2)TFの効果を確認するために、TF誘導型サイトケラチン14(K14) promoter-cre マウスとROSA26Rマウスを交配後、TFを投与、X-gal染色をおこない、K14 発現細胞でX-gal陽性となることを確認した。(3)歯根成長への効果を得るためには出生前後にTFを投与する必要があり、その効果的なTF投与量と投与回数、投与のタイミングの解析を進めており、これは次年度も継続する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究において、当初予定では、(1)レーザーマイクロダイセクションによる細胞遊走関連遺伝子の網羅的解析、(2)それらとRhoシグナリングとの関係についての検討を行う予定であった。また、トランスジェニック(Tg)マウス関連の研究は平成25-26年度に実施を計画していた。Tgマウスは凍結卵の状態で保管・維持されており、業者は発注後に準備を開始するため、納入までの時間が必要であることから、当初2年目以降での実験を予定していた。しかし、納入までの手続きが予定より早く進み、本学の動物研究センターの準備も整ったため、平成24年度内に納入可能となった。そのため、計画していた研究の順番を調整し、Tgマウスの維持・交配・新生仔の形質の検索、効果的なタモキシフェンの投与に対する条件検索を先行して行うこととした。そのため当初予定の上記(1)と(2)の実験は平成25年度で行う予定である。Tgマウスによる実験はまだ継続中であるが、交配による系統の維持やコンディショナルノックアウトマウスの作成、F1マウスの歯胚における組織学的検索などは順調に進んでいる。現在はTgマウス下顎第一臼歯の表現型の組織学的解析と、歯根形成に対する影響を観察するために最も適するタモキシフェンの投与時期と濃度、タイミングの検索を中心に検討を進めているが、すべての条件での検索は終了していないので、これは次年度も継続して行う予定である。以上のように、実験計画の順番を途中変更したが、研究の進行状態としては順調に進んでいると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
上記「現在までの達成度」の欄にも記載したが、平成24年度内に、トランスジェニック(Tg)マウスの納入とTgを用いた実験を予定より早く進めることが可能となった関係で、実験計画を一部変更した。平成25-26年度に予定していたTgマウスの交配とそのF1マウスの歯胚での発現形質の組織学的解析と、歯根形成(HERS形成)に対するRho signalingの影響を検索するための条件検索は、平成24年度よりすでに開始している。よって、平成25年度は、引き続きTgマウスを用いた解析を継続するとともに、タモキシフェンの投与の時期・濃度・タイミングに対する検討を続け、年度内を目標に至的条件を明らかにする予定である。また、それと並行して、当初計画では平成24年度に行う予定であった、レーザーマイクロダイセクションを用いたHERSにおけるRho signaling関連因子の網羅的解析、器官培養・スライスカルチャーの培養条件の検索とそれらを用いたRho signaling関連因子の影響の検索について、平成25年度から実験を開始する。器官培養・スライスカルチャーは別の実験系ですでに実績があるので、それを応用しつつ、本実験を遂行していく予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
繰越金額は4,050円であった。これは実験が順調に遂行できたものの、端数の形で出た金額と認識している。次年度はこの金額を加え、試薬や実験器具などの消耗品を中心に、計画に沿った予算の使用を予定している。
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Research Products
(9 results)
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[Journal Article] Promotional effects of vasoactive intestinal peptide on the development of rodent Hertwig's epithelial root sheath.2012
Author(s)
Xu, J., Kawashima, N., Fujiwara, N., Harada, H., Ota, M. S., Suda, H
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Journal Title
Congenital Anomalies.
Volume: 52
Pages: 162-167
DOI
Peer Reviewed
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