2013 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
24592777
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Research Institution | Showa University |
Principal Investigator |
中村 雅典 昭和大学, 歯学部, 教授 (50180394)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
野中 直子 昭和大学, 歯学部, 准教授 (20307052)
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Keywords | 造血 / hemal node / bisphosphonate / 骨髄 / 肝臓 / 脾臓 / グロビン |
Research Abstract |
窒素含有ビスフォスフォネート(NBP)は強力な破骨細胞による骨吸収を抑制する薬剤である。我々なこれまでにこの窒素含有ビスフォスフォネートのマウスへの投与により、貧血を起こすことなく、骨髄での赤血球造血を消失させ、脾臓での髄外造血を誘導することを報告してきた。これまでの結果をふまえ、本研究では脾摘マウスに溶血性貧血誘導後、窒素含有ビスフォスフォネートを投与することで、末梢血中に有核赤血球の出現とHemal Node様構造の誘導という結果を得た。この結果は、成体内で一次造血と二次造血が共存していることを強く示唆する。Hemal Nodeに関しては、これまでヒツジやウマでの報告はあるが、マウスでの報告はない。さらに、これまでの報告ではHemal Node での造血の報告もない、したがって、本研究で得られたこのHemal Node様構造はこれまでのものとは機能的にも異なる組織であることが強く示唆される。したがって、本研究では、この我々が開発した系を用いて、髄外造血の主たる場である肝臓とHemal Node様構造における造血動態を機能構造学的に詳細に解析してきた。その結果、赤血球が有するグロビンタンパクの解析により、グロビンが成人型のみならず胎児型の発現を示すことが明らかとなった。現在、発現に絡む因子の解析について、それぞれの造血巣において解析を行うと共に、各造血組織における組織学的解析を血液細胞、ストローマ細胞、造血に関与する諸因子の解析を進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
脾臓摘出マウスにbisphosphonateとphenykhidrazineを投与することにより、貧血ならびに髄外造血を安定して誘導できるようになった。この系を用いて、骨髄、肝臓、hemal nodeにおける赤血球造血におけるグロビンタンパクの遺伝子解析を進め、胎児型のグロビンが誘導されることを突き止めることが出来た。また、成人型から胎児型へのスウィッチにKLF1,2やBCL11a等の関与を示唆する結果も得ることができた。これらの結果は、今後の研究遂行のために非常に有益は結果である。
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Strategy for Future Research Activity |
前年度までの結果を基に、本年度はhemal nodeの組織学的構造の詳細な解析とこの新たに誘導された組織における髄外造血に関与する液生因子、接着因子、転写因子等についても詳細な検討を進める予定である。また、胎児型グロビンを発現するにいたる造血細胞が一次造血巣から誘導された細胞であるのか、あるいは本体成人型グロビンを発現する二次造血巣由来の造血細胞が胎児型グロビンの発現をするという変換を示すのかについてこれまでの所見の再現性の検証をし、更なる解析を進める。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
今年度は実験系での消耗が少なかったこと、ならびに国際学会を始めとする学会出張費が押さえられたためである。 次年度は、国際学会に数回出席予定であり、その予算として執行する予定である。
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[Journal Article] NKG2D+ IFN-γ+ CD8+ T cells are responsible for palladium allergy.2014
Author(s)
Nakamura M, Ono M, Nishiya T, Nakamura S, Takeda Y, Dobashi A, Takahashi A, Endo M, Ito A, Ueda K, Sato N, Higuchi S, Kondo T, Hashimoto S, Watanabe M, Watanabe M, Takahashi T, Sasaki K, Nakamura M, Takehiko Sasazuki T, Narushima T, Suzuki R, Ogasawara K
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Journal Title
PLOS ONE
Volume: 9
Pages: e86810
DOI
Peer Reviewed
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[Journal Article] Mast cell maturation is driven via a group III phospholipase A2-prostaglandin D2-DP1 receptor paracrine axis.2013
Author(s)
Taketomi Y, Ueno N, Kojima T, Sato H, Murase R, Yamamoto K, Tanaka S, Sakanaka M, Nakamura M, Nishito Y, Kawana M, Kambe N, Ikeda K, Taguchi R, Nakamizo S, Kabashima K, Gelb MH, Arita M, Yokomizo T, Nakamura M, Watanabe K, Hirai H, Nakamura M et al.
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Journal Title
Nature Immunology
Volume: 14
Pages: 554-563
DOI
Peer Reviewed
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