• Search Research Projects
  • Search Researchers
  • How to Use
  1. Back to project page

2013 Fiscal Year Research-status Report

アンギノーサスグループレンサ球菌の外来遺伝子獲得および組換えの機構に関する検討

Research Project

Project/Area Number 24592782
Research InstitutionTsurumi University

Principal Investigator

高尾 亞由子  鶴見大学, 歯学部, 学内講師(助教クラス) (10163156)

Keywordsアンギノーサスレンサ球菌 / クオラムセンシング / ペプチドフェロモン / シグマ因子 / 遺伝子発現 / 遺伝子組み換え / バイオフィルム / バクテリオシン
Research Abstract

本研究では、口腔常在微生物叢の一員でありながら、がん組織からの分離や膿瘍形成など、特徴的な分布や病原性を示すアンギノーサスレンサ球菌について、病原遺伝子の菌種特異性および菌種間の遺伝子伝播に関して検討している。モデル菌種として、とくに肝、脳など深部の膿瘍形成が知られるStreptococcus intermediusを選択し、平成25年度は、本菌および近縁菌のクオラムセンシング(QS)ペプチドフェロモンが菌種間相互作用に及ぼす影響を知るために、肺炎球菌のバクテリオシン産生に関わるblp遺伝子群のホモログ、および環境ストレスを感知する二成分制御系をコードするオペロンciaRHの欠失株などを作製し、性状を検討した。その結果、S. intermediusでは、blpのクオラムセンシングのシグナルペプチド前駆体をコードするblpCが欠失した場合、comのQSペプチド(CSP)の添加で親株よりも高い組換え効率が認められ、comCDEの欠失株では無処理培養ではバクテリオシン産生が認められない一方、blpのQSシグナルペプチド(BIP)の添加時に親株よりも強く産生誘導されることが示された。このことから、com遺伝子群とblp遺伝子群との間には抑制的相互制御が存在し、com系が制御の上位に位置することが推測された。このことは、環境に存在するQSペプチドの存在比が、本菌の遺伝子獲得に関する遺伝子群の作動に影響を及ぼすことを示唆する。ペプチドのシグナリングの経路について、引き続き検討中である。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

平成25年度は、おもに、組換え機構に影響を与えるペプチドクオラムセンシングと関連遺伝子についての検討を行った。発現実験については実施範囲が広いため、完了していないが、変異体作製と性状の検討は順調に進んでいるため、上記達成度と判断した。

Strategy for Future Research Activity

1. com, blp, cia遺伝子群欠損株における発現解析:遺伝子群の相互作用を確認するため、欠損株の遺伝子発現解析を完了させる。具体的にはRT-real time PCRにより、com, blp, ciaの転写に対するQSペプチドの影響を中心として解析する。
2. 共培養実験による菌種間相互作用の検討:菌の遺伝子水平伝播を考える場合、類縁菌との共培養による相互作用がもっとも自然状態に近い状況と考えられる。そこで、S. intermediusのバクテリオシンにもっとも感受性が高い近縁菌種との共培養を実施し、遺伝子の伝達を確認する。具体的には、菌体外に放出されるDNA全量、由来菌種に特異的な遺伝子量、形質転換効率を、条件を変えて検討する。
3. 近縁菌のQSペプチドの影響:アンギノーサスレンサ球菌にはCSP, BIPのバリエーションが存在する。タイプが異なるペプチドは当該遺伝子群を作動させないが、何等かの形で菌のレスポンスに影響を及ぼす可能性がある。これについて、1,2の内容の検討を実施する。
4. 他のアンギノーサスレンサ球菌の遺伝子欠失株の検討:菌種により、欠失株の作製効率が異なるため、すべての菌種について、欠失セットをそろえることは困難であるが、菌種間相互作用の解析に必要なものについて、作製を行い、1,2の検討を行う。
5. 研究内容の統括:これまでの年度の研究内容を統括し、アンギノーサスレンサ球菌の遺伝子伝達に関する知見を公表する。

Expenditure Plans for the Next FY Research Funding

平成25年度研究費の次年度使用額は405円であり、価格変動による物品購入予定額との誤差として生じた。
平成26年度の研究費とともに、遺伝子発現解析、分子生物学的実験、菌の培養に関わる消耗品の購入、およびシーケンシング解析などの費用、研究内容の公表のための費用として使用予定である。

  • Research Products

    (1 results)

All 2014

All Presentation (1 results)

  • [Presentation] Influence of peptide pheromones on bacteriocin production in Streptococcus intermedius2014

    • Author(s)
      Takao A, Nagamune H, Maeda N
    • Organizer
      第87回日本細菌学会
    • Place of Presentation
      タワーホール船堀
    • Year and Date
      20140326-20140328

URL: 

Published: 2015-05-28  

Information User Guide FAQ News Terms of Use Attribution of KAKENHI

Powered by NII kakenhi