2012 Fiscal Year Research-status Report
幼若象牙芽細胞に発現するOsterixの細胞分化における機能解析
Project/Area Number |
24592785
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Matsumoto Dental University |
Principal Investigator |
細矢 明宏 松本歯科大学, 歯学部, 講師 (70350824)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中村 浩彰 松本歯科大学, 歯学部, 教授 (50227930)
平賀 徹 松本歯科大学, 歯学部, 准教授 (70322170)
雪田 聡 松本歯科大学, 歯学部, 助教 (80401214)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | Osterix / 象牙芽細胞 / 分化 |
Research Abstract |
Osterixの象牙芽細胞分化における機能を検討する目的で,歯の発生ならびに象牙質再生過程におけるOsterixの局在を検討した。胎生(E)15日~生後(P)4週齢ラット下顎第一臼歯を化学固定し,通法に従いパラフィン切片を作製後, Osterixの免疫局在を観察した。また,4週齢ラット下顎第一臼歯近心面に象牙質窩洞を形成し,形成1日~8週後の歯髄組織における局在を検討した。蕾状期(E15)および帽状期(E17)歯胚において, Osterixの特異的な反応は認められなかった。歯胚象牙質形成が始まる鐘状期(E20)になると,象牙芽細胞でOsterixの陽性反応が認められたが,前象牙芽細胞ならびに歯髄細胞は陰性であった。歯根形成期(P7-28)では,根尖部の象牙芽細胞で陽性反応を示したが,歯冠部の象牙芽細胞では反応がみられなかった。次に,窩洞形成後の象牙質再生過程におけるOsterixの局在を検討した。形成1日後,窩洞直下の象牙芽細胞層とその近傍の歯髄組織に壊死がみられ,各因子の陽性細胞は認められなかった。4日後,壊死組織の修復とともに,窩洞直下の歯髄組織にOsterix陽性細胞の集積が観察された。7日後,円柱状の象牙芽細胞が再生し修復象牙質が形成されるようになると,再生象牙芽細胞で各因子の陽性反応が認められた。再生象牙芽細胞におけるこれらの陽性反応は4週後まで観察されたが,8週以降,再生象牙芽細胞の丈が低くなると反応は消失した。本年度の結果から,Osterixは歯の発生及び象牙質再生過程において分化直後の象牙芽細胞で局在が認められるが,象牙芽細胞の成熟化に伴い反応が消失することが明らかとなった。 現在,DSPプロモーター下でOsterixを発現するコンストラクトを作成し,前象牙芽細胞への遺伝子導入を試みている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成24年度はOsterixの象牙芽細胞分化ならびに修復象牙芽細胞分化過程における局在を検討し,論文発表を行った(Histochem Cell Biol,In press)。また予定通りOsterix発現ベクターを作成し,前象牙芽細胞株mDP細胞への導入を試みているところであり,概ね順調に研究が進行していると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
前象牙芽細胞株mDP細胞に平成24年度に作製したOsterix発現ベクターもしくはコントロールベクターを遺伝子導入し,シクロヘキシミド添加培地でBMP-2による象牙芽細胞誘導を行う。導入後にRNAを抽出し,DNA micro arrayおよびin situ hybridizationにより象牙芽細胞分化におけるOsterixの標的遺伝子を検索する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
次年度使用額である13,420円は,ウエスタンブロッティング解析の消耗品購入に充てる予定である。ウエスタンブロッティング検出システムであるECL Prime Western Blotting Detection Reagent(GEヘルスケア)は高額であり,次年度の物品費と合わせて使用することを考えている。
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