2014 Fiscal Year Annual Research Report
幼若象牙芽細胞に発現するOsterixの細胞分化における機能解析
Project/Area Number |
24592785
|
Research Institution | Matsumoto Dental University |
Principal Investigator |
細矢 明宏 松本歯科大学, 歯学部, 講師 (70350824)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中村 浩彰 松本歯科大学, 歯学部, 教授 (50227930)
平賀 徹 松本歯科大学, 歯学部, 准教授 (70322170)
雪田 聡 静岡大学, 教育学部, 講師 (80401214)
|
Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
|
Keywords | Osterix / 象牙芽細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
Osterixは間葉系細胞の硬組織形成細胞への分化を広く制御していると考えられているが,象牙芽細胞分化における機能については不明な点が多い。歯胚発生過程において,象牙質形成初期の幼若象牙芽細胞にはOsterixが局在するが,完成歯の象牙芽細胞では発現が減弱,消失することが明らかとなった。従って,Osterixの発現時期が象牙芽細胞の分化に関連すると考え,歯髄細胞を用いた象牙芽細胞もしくは骨芽細胞への分化誘導実験におけるOsterix局在を検討した。ラット臼歯を抜歯し,ただちに腹部皮下へ移植すると,10日後から歯髄腔内に多数のOsterix陽性細胞が出現した。歯冠部歯髄にみられたOsterix陽性細胞はその後も発現を維持し続け,島状の骨組織を形成した。一方,歯根部歯髄のOsterix陽性細胞は移植20日後には発現が消失し,既存の象牙質表面に新生象牙質を形成した。さらに,歯髄に存在する未分化細胞の象牙芽細胞分化過程におけるOsterix発現を検討した。未分化細胞マーカーの1つであるThy-1(CD90)がsubodontoblastic layerに局在することから,Thy-1陽性歯髄細胞をFACSにより分取した。分取直後のThy-1陽性細胞はOsterixをほとんど発現していなかったが,in vitroでの骨芽細胞誘導後に発現が顕著に上昇した。また,この細胞をハイドロキシアパタイトと共にラット皮下へ移植すると骨組織を形成した。以上の結果から,硬組織形成細胞の分化過程におけるOsterixの一時的な発現と,その後の消失が象牙芽細胞への分化に重要であると考えられた。
|