2014 Fiscal Year Annual Research Report
好中球の細胞分化調節による歯槽骨代謝制御システムの構築
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24592786
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Research Institution | Matsumoto Dental University |
Principal Investigator |
二宮 禎 松本歯科大学, 総合歯科医学研究所, 講師 (00360222)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小出 雅則 松本歯科大学, 総合歯科医学研究所, 講師 (10367617)
中村 浩彰 松本歯科大学, 歯学部, 教授 (50227930)
平賀 徹 松本歯科大学, 歯学部, 准教授 (70322170)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | ラクトフェリン / 好中球 / 破骨細胞分化 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成26年度は、1. 牛ラクトフェリン(bLF)のペプシン処理生成物による破骨細胞分化、2. 好中球による細胞分化調節機能に関して検討を行った。 実験1において、経口投与したbLFは、胃や腸で分解されることが推測される。bLF経口投与後、血液中のLF濃度は、変化しなかったが、腹腔投与では、LF濃度の上昇が見られた。この所見より、経口投与したbLFは、腸から吸収されるまでに分解することが示唆された。タンパクは、胃でタンパク質分解酵素であるペプシンによって、加水分解をうけるため、ペプシン処理をしたbLFの破骨細胞分化に与える作用について検討した。bLF溶液にペプシンを加えて、37℃で6時間インキュベーションすることで、bLFが分解されることをウエスターンブロッティングにより明確にした。骨髄マクロファージとRANKL刺激による破骨細胞分化系にペプシン処理bLFを加えると、破骨細胞分化を阻害した。また、卵巣摘出マウスに対して、ペプシン処理bLFを腹腔内投与を行うと、骨量減少が抑制された。一方、bLFを腹腔内投与したマウスの骨量は、生食を投与したコントロールのマウスと有意な差は得られなかった。以上の結果より、bLFは、破骨細胞分化に対して、bLFは直接的に作用するのではなく、吸収前に分解されることで、効果的に働くことが示唆された。 実験2において、チオグリコレート誘導好中球を腹腔滲出液より回収し、破骨細胞分化実験に用いた。次の条件下で破骨細胞分化誘導を行った。(1) 好中球、骨髄マクロファージ、骨髄間葉細胞の共存培養、(2) 好中球培養上清で培養、いずれの実験においても、破骨細胞分化は抑制され、破骨細胞分化マーカーであるNFATc1, cathepsinK, Calcitonin Receptorの発現を抑制した。
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Research Products
(3 results)