2013 Fiscal Year Research-status Report
分子標的治療薬による口蓋裂重症化抑制メカニズムの解明
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24592788
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Research Institution | Asahi University |
Principal Investigator |
滝川 俊也 朝日大学, 歯学部, 教授 (90263095)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
引頭 毅 朝日大学, 歯学部, 講師 (10360918)
高木 秀太 朝日大学, 歯学部, 助教 (10711351)
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Keywords | 口蓋裂 / TGFβ3 / 上皮成長因子受容体 / 口蓋裂軽症化作用 |
Research Abstract |
C57BL/6J系統およびICR系統のTGFβ3 およびTGFβ2ノックアウトマウスの口蓋裂表現型とその胎児期の口蓋突起の癒合過程および口蓋裂発症過程を調査した。その結果、C57BL/6J系統およびICR系統のTGFβ2ノックアウトのホモ接合体胎児は妊娠14-15日ころから重篤な浮腫や前胸壁欠損を起こして死亡したが、妊娠齢15日まで生き延びたホモ接合体胎児には口蓋裂は認められなかった。ICR系統のTGFβ3ノックアウトのホモ接合体胎児は部分的な口蓋突起癒合を起こして不完全口蓋裂を示したが、TGFβ3の欠損をTGFβ2によって代償されている可能性が予想されたため,TGFβ2 およびTGFβ3ダブルノックアウトマウスを交配により作製して、ダブルノックアウト胎児の口蓋裂表現型と口蓋突起の癒合過程,口蓋裂発症過程などの調査を行った。その結果,TGFβ2とTGFβ3のシグナル伝達および口蓋突起内側縁上皮細胞の(癒合部上皮細胞)アポトーシス現象は口蓋突起の前2/3の癒合部上皮細胞(口蓋突起内側縁上皮細胞)の消失に必須ではなく、口蓋突起はTGFβ2とTGFβ3の発現や癒合部上皮にアポトーシスが起こらなくても部位特異的に癒合する能力があることが判明し、TGFβ2によるTGFβ3の代償作用の作用は否定された。また、リコンビナントTGFβ1を用いた口蓋突起の器官培養実験でもTGFβ1による口蓋突起内側縁上皮細胞の上皮-間葉分化転換の促進や口蓋突起の癒合促進は認められなかった。したがって,これまでに当該研究で明らかのした上皮成長因子受容体に対する阻害剤およびDNAメチル化酵素阻害剤によるTGFβ3ノックアウトマウスの口蓋裂表現型の軽症化作用はTGFβ受容体単独のシグナル伝達の強弱よりもTGFβ受容体と上皮成長因子受容体とのシグナルバランスに変化を及ぼした結果であることが強く示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当該研究の代表者(滝川俊也)が平成25年4月1日付けで教授に昇任したのにともない、教育のエフォートが大幅に増加した。当該研究を遂行するために新規に研究分担者(高木秀太)を追加して遂行していたが、年度途中より当該研究分担者(高木秀太)が進路変更(大学院進学)を希望したため、当該研究を元の研究組織2名で継続した。その結果、実験ペースが当初の計画よりやや遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
当該研究代表者(滝川俊也)は教授職としての教育のエフォートを減らすことができないため、現在、当該研究の遂行のために必要な新規研究分担者または連携協力者を探しているところである。また、研究分担者(引頭毅)とともに休日を返上し、最大限の努力で当該研究を遂行している。
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Research Products
(4 results)