2014 Fiscal Year Annual Research Report
新たな細胞間情報伝達分子としての唾液miRNAの基盤的研究
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24592800
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
水澤 典子 徳島大学, ヘルスバイオサイエンス研究部, 助教 (80254746)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岩田 武男 徳島大学, ヘルスバイオサイエンス研究部, 助教 (10350399)
吉本 勝彦 徳島大学, ヘルスバイオサイエンス研究部, 教授 (90201863)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | miRNA |
Outline of Annual Research Achievements |
microRNA(以下miRNA)は約20塩基からなる短い二本鎖RNAで、mRNAの転写あるいは翻訳を抑制している。細胞内で生成・機能するmiRNAが、細胞外に分泌され安定して存在する事から、体液中でもmiRNAは検出される。ヒトではmiRNAが2,000種類以上あるとされ、細胞の状態に応じて変動するmiRNAの発現パターンの体液中での検出は、癌等の疾患の非侵襲的バイオマーカーとして期待されている。 我々は、唾液中には多量のmiRNAが安定して存在する事を確認し、唾液に特徴的な分子種の検討を行った。また、唾液miRNAの大きな供給源として考えられる唾液腺の細胞株を用い、miRNAの発現変動やmiRNAにより制御される標的mRNAの特定を試みた。 その結果、唾液に多く含まれるmiRNAとしてmiR-1290を見いだし、その標的として遺伝子Aが確認された。さらに唾液でのレベルは低いが、唾液腺(顎下腺)細胞株において、炎症性サイトカイン刺激により誘導されるmiR-222と、miR-222の標的としてはこれまでに知られていない遺伝子Bが検証された。 現在も引き続きmiR-1290およびmiR-222の機能解析を行い、遺伝子Aと遺伝子Bを中心とした細胞内での役割を検討している。また、miR-1290およびmiR-222の発現調節を検討すると同時にmiRNA全体量の変化も視野に入れ、唾液miRNAレベルの違いと年齢や性別、疾患の有無を含めたバイオマーカーとしての有用性を検討している。 さらに、細胞内情報伝達物質として機能するmiRNAの一例としてmiR-1290およびmiR-222を指標にするとともに、それらが安定して存在する形態の一つである「エクソソーム」の表面蛋白を指標にし、細胞外から細胞内へのmiRNAの取り込みを検討している。
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Research Products
(1 results)