2014 Fiscal Year Annual Research Report
ステロイドによって誘導される膜タンパク質の細胞生物学的解析
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24592808
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
岡元 邦彰 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(歯学系), 准教授 (10311846)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
筑波 隆幸 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(歯学系), 教授 (30264055)
西下 一久 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(歯学系), 助教 (20237697)
坂井 詠子 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(歯学系), 助教 (10176612)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | ステロイド / エンドソーム・リソソーム |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、Dexamethasone-induced transcript(以下Dexiと略す)の発現をコントロールしていると考えられる転写因子Transscription Factor EB (TFEB)の過剰発現系の確立を行った。TFEBは最近オートファジーが起こる際に、大量のリソソーム酵素を発現させなければならないが、リソソーム酵素のプロモーター配列にCLEAR配列があると、そこへTFEBが結合し、多くのリソソーム酵素を発現させる転写因子である。そこでまず初めに、ATCCよりマウスTFEB cDNAを購入し、それを鋳型にしてTFEB遺伝子の増幅を行った。この際、増幅のためのプライマーの両端に制限酵素部位EcoRIとXhoIの切断サイトをもうけることで、発現ベクターへの挿入を可能にした。発現ベクターにはpcDNA3を用い、そのC末端側にFLAGタグをつけることで、容易にタンパク質を検出しやすくした。これを、骨芽細胞様細胞株のMC3T3-E1細胞へ導入し、G418で選別を行い、いくつかのクローンを得た。リアルタイムPCRにてTFEBの発現量を調べたところ、約2.5倍しか上昇しておらず、そのためかDexiの発現量にも有意な差は認められなかった。 一方、MC3T3-E1細胞は、アスコルビン酸(AA)とβ-glyserophosphate(βG)を添加すると、骨芽細胞へ分化する。その指標の一つがアルカリフォスファターゼ染色である。非常におもしろいことに、TFEBを過剰発現させたMC3T3-E1細胞はAAとβGを添加しなくても骨芽細胞へ分化することが明らかとされた。このことについて、他の骨芽細胞マーカー遺伝子についても同様の結果が得られた。今後はそのメカニズムの解明を行う予定にしている。その過程において、Dexiの局在や役割等も同時に解析していく予定である。
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