2012 Fiscal Year Research-status Report
低分子量Gタンパク質Rac1およびCdc42の骨・軟骨形成における作用機序の解明
Project/Area Number |
24592813
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Showa University |
Principal Investigator |
山田 篤 昭和大学, 歯学部, 講師 (50407558)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
上條 竜太郎 昭和大学, 歯学部, 教授 (70233939)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 軟骨 / シグナル伝達 / コンディショナルノックアウトマウス |
Research Abstract |
Rac1およびCdc42はRhoファミリータンパク質に属する低分子量Gタンパク質でアクチン細胞骨格を介した細胞増殖、細胞分化、細胞死など細胞の機能制御に重要な役割を果たしている。細胞におけるRac1およびCdc42の機能については多くの報告がされているものの、Rac1およびCdc42を全身で欠損させたマウスは胎生初期に致死となるため、生体における機能については報告が少なく、不明な点が多い。本研究ではRac1およびCdc42の骨・軟骨形成における役割を明らかにするため、Rac1およびCdc42を主に肢芽間充織細胞で欠損させたコンディショナルノックアウトマウス(Rac1fl/fl; Prx1-Cre, Cdc42fl/fl; Prx1-Cre)を作出し、その表現型の解析を行った。Rac1fl/fl; Prx1-CreとCdc42fl/fl; Prx1-Creはともに四肢の短縮が認められた。四肢の短縮に関して、Rac1fl/fl; Prx1-CreとCdc42fl/fl; Prx1-Creはともに軟骨成長板における柱状配列の乱れおよび肥大軟骨層の肥厚が認められた。Cdc42fl/fl; Prx1-Creでは、吸収されなかった肥大軟骨層において肥大軟骨細胞分化マーカーであるCol10およびMmp13の発現が低下していた。以上の結果から、Rac1およびCdc42は軟骨内骨化における正常な軟骨細胞の成熟および肥大化に重要な役割を果たしていると考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の研究計画通り、Rac1およびCdc42を主に肢芽間充織細胞で欠損させたコンディショナルノックアウトマウス(Rac1fl/fl; Prx1-Cre, Cdc42fl/fl; Prx1-Cre)の作製および軟骨形成における表現型の解析を行う事ができた。
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Strategy for Future Research Activity |
申請者が作製したRac1およびCdc42を主に肢芽間充織細胞で欠損させたコンディショナルノックアウトマウス(Rac1fl/fl; Prx1-Cre, Cdc42fl/fl; Prx1-Cre)の軟骨形成以外(口蓋形成、頭蓋形成)の表現型に関し、解析を遂行していく予定である。また、Prx1遺伝子エンハンサー制御下で時期特異的Cre発現トランスジェニックマウスの作製を始める。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
当初、平成24年度の研究計画の予定であった、Rac1およびCdc42を主に肢芽間充織細胞で欠損させたコンディショナルノックアウトマウス(Rac1fl/fl; Prx1-Cre, Cdc42fl/fl; Prx1-Cre)における遺伝子発現様式の網羅的解析のためのマイクロアレイ解析をまだ遂行していないため、平成25年で遂行する。また、上記で記載したコンディショナルノックアウトマウスの軟骨形成以外(口蓋形成、頭蓋形成)の表現型に関する解析、また、Prx1遺伝子エンハンサー制御下で時期特異的Cre発現トランスジェニックマウスの作製を遂行する。
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