2013 Fiscal Year Research-status Report
低分子量Gタンパク質Rac1およびCdc42の骨・軟骨形成における作用機序の解明
Project/Area Number |
24592813
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Research Institution | Showa University |
Principal Investigator |
山田 篤 昭和大学, 歯学部, 講師 (50407558)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
上條 竜太郎 昭和大学, 歯学部, 教授 (70233939)
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Keywords | 発生学 / 軟骨 / 遺伝子改変マウス |
Research Abstract |
Rhoファミリー低分子量Gタンパク質に属するRac1およびCdc42はこれまで、細胞レベルではアクチン細胞骨格を介した様々な機能(細胞増殖、細胞分化、細胞死など)の制御に重要な役割を果たしていることが知られている。Rac1およびCdc42の生体における機能を検討する上で遺伝子改変マウスは非常に有用なツールであると考えられる。しかし、Rac1およびCdc42遺伝子を全身で欠損させたコンベンショナルノックアウトマウスは胎生初期の着床後すぐに発生が停止するため、各生体組織における詳細な機能の検討を行うことが困難であった。そこで、組織特異的にRac1およびCdc42遺伝子を欠損させたコンディショナルノックアウトマウスの作製を行うこととした。昨年度は、Rac1およびCdc42遺伝子のfloxマウス(Rac1floxおよびCdc42flox)と未分化間葉組織特異的に組替え酵素Creを発現するCreトランスジェニックマウス(Prx1Cre)の交配により作製されたマウスの表現型について解析した。本年度は、軟骨細胞特異的なCreトランスジェニックマウス(Col2Cre)を用い、その表現型の解析を行った。Rac1; Col2Creマウスに関しては、既に報告(Wang G et al. (2007), Dev. Biol. 306, 612-623)があるように、四肢の短縮、成長板の形成不全が認められた。Cdc42flox;Col2Creマウスに関しても全身の体長および四肢の短縮、成長板軟骨の形成不全が認められた。また、Cdc42flox;Col2Creマウス肋軟骨から採取した初代培養肋軟骨細胞はアクチン形成の不全が認められ、また、細胞増殖の抑制が認められた。以上の結果から、Rac1およびCdc42は生体内で軟骨形成に必須の遺伝子であると考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
目的の遺伝子改変マウスの作製が完了し、その表現型の解析まで出来ているため。
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Strategy for Future Research Activity |
Cdc42遺伝子コンディショナルノックアウトマウスで認められた、口蓋裂の表現型についての詳細な解析を行う。また、来年度は最終年度であるため、これまでの研究成果をまとめる。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成25年度は予定していた実験の1つについて行わなかったため。 指骨の石灰化不全の原因解明、および口蓋形成の異常に関する研究の遂行を行う。
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