2014 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
24592816
|
Research Institution | Showa University |
Principal Investigator |
望月 文子 昭和大学, 歯学部, 助教 (10453648)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山田 篤 昭和大学, 歯学部, 講師 (50407558)
高見 正道 昭和大学, 歯学部, 教授 (80307058)
|
Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2016-03-31
|
Keywords | 破骨細胞 / 樹状細胞 / 分化 / 振り分け / 骨代謝 / RANKL / RANK / 遺伝子発現 |
Outline of Annual Research Achievements |
破骨細胞と樹状細胞は共通の前駆細胞から分化するが、これらの細胞の分化振り分け機構はいまだ不明な点が多い。申請者は、「樹状細胞分化の振り分けを制御する因子が破骨細胞性骨破壊を阻止する可能性がある」という仮説を立て、その候補因子として、樹状細胞の分化を制御する因子に着目し、新たな破骨細胞分化制御因子の発見とその機能解析を目指した。平成26年度は前年度に引き続き、破骨細胞の分化における樹状細胞分化に重要な因子の役割を明らかにするため、破骨細胞の分化過程における遺伝子発現変化を網羅的に解析した。樹状細胞の分化に伴って発現が上昇する因子に着目して解析を行った結果、転写因子Signal transducer and activator of transcription 5 (Stat5)の発現が破骨細胞の分化に伴って経時的に減少することがわかった。しかし、同時期に、骨代謝(特に破骨細胞の機能)に関わるStat5の機能解析が報告され(Hirose J et al. J Exp Med. 211:153-163, 2014)、着目すべき因子を再検討することとなった。Stat5の解析と同時に、樹状細胞分化に重要な因子群の網羅的解析を進めたところ、新たに重要な因子ODF3(仮名)が候補に挙がった。ODF3は破骨細胞分化の負の制御因子として知られているInterferon regulatory factor 8(IRF8)と相互作用することによって樹状細胞分化を調節しているので、現在、破骨細胞前駆細胞であるマクロファージにODF3を強制発現させる、あるいは、siRNAで発現抑制させたとき、破骨細胞分化にどのような作用を及ぼすのか検討している。また、ODF3の遺伝子改変マウスを用いて解析することでin vivoで検討する準備を進めている。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
申請者は、平成25年度に、樹状細胞と破骨細胞の分化振り分けに重要な因子としてStat5を見いだし、平成26年度はその機能解析を行っていた。しかしながら、Stat5と骨代謝(特に破骨細胞の機能)に関する論文が報告されたことから、平成26年度はStat5に限らず、樹状細胞分化に重要でかつ破骨細胞分化で発現の変化が生じる遺伝子として、新たにODF3(仮名)を得た。現在、in vitroでの機能解析にin vitroでの機能解析ならびにODF3の遺伝子改変マウスの購入、in vivoでの機能解析の準備を進めている。
|
Strategy for Future Research Activity |
平成26年度、破骨細胞分化に重要な候補遺伝子ODF3(仮名)が得られたことから、補助事業期間の延長を依頼して、ODF3遺伝子改変マウスを購入し、その機能解析を行うことを予定した。 (1)ODF3遺伝子改変マウスの骨髄細胞を採取し、RANKLで刺激したときの破骨細胞分化誘導効率の検討 (2)ODF3遺伝子改変マウスの頭蓋骨から骨芽細胞を採取し、骨誘導効率の検討 (3)ODF3遺伝子改変マウスの骨組織のマイクロCT撮影や各種組織解析による骨形態計測 (4)ODF3と破骨細胞分化に重要な転写因子群との相互作用の解析(ChIP assay, EMSAなど)
|
Causes of Carryover |
平成26年度、樹状細胞分化に伴い発現が上昇し、破骨細胞分化では発現が低下する候補遺伝子(ODF3:仮名)が得られた。この候補遺伝子は、当初想定していた遺伝子とは異なり、これまでの結果と合わせて考察すべき重要な分子として考えられる。そのため、新たな候補遺伝子の遺伝子改変マウスを用いて、in vitro、in vivoの両面での骨代謝を解析するため、追加実験を行うことを予定し、次年度使用額が生じた。
|
Expenditure Plan for Carryover Budget |
The Jackson Laboratories社(アメリカ)から候補遺伝子の遺伝子改変マウスを購入し、維持・繁殖を行う。また、このマウスの骨組織を摘出し、in vitro、in vivo両面での骨代謝における役割を解析する予定である。
|
Research Products
(14 results)
-
-
-
-
[Presentation] Modulation of masseter activity by vigilance states and circadian rhythm2015
Author(s)
Mochizuki A, Katayama K, Kato T, Ikeda M, Nogawa Y, Nakamura S, Nakayama K, Kiyomoto M, Wakabayashi N, Baba K, Inoue T.
Organizer
第120回日本解剖学会総会・全国学術集会・第92回日本生理学会大会合同大会
Place of Presentation
神戸
Year and Date
2015-03-23 – 2015-03-23
-
-
-
-
[Presentation] マウス咬筋および頸筋筋活動に対するシタロプラムの影響2014
Author(s)
野川泰葉, 望月文子, 片山慶祐, 池田美菜子, 安部友佳, 中村史朗, 中山希世美, 清本聖文, 加藤隆史, 馬場一美, 若林則幸, 井上富雄
Organizer
第8回三叉神経領域の感覚-運動統合機構研究会
Place of Presentation
軽井沢
Year and Date
2014-10-18 – 2014-10-18
-
-
-
-
-
-