2013 Fiscal Year Research-status Report
免疫抑制性シグナルの可視化技術による記憶T細胞形成のメカニズムの解析
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24592828
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Research Institution | University of Occupational and Environmental Health, Japan |
Principal Investigator |
岩井 佳子 産業医科大学, 医学部, 教授 (90362467)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
東 みゆき 東京医科歯科大学, 医歯(薬)学総合研究科, 教授 (90255654)
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Keywords | 免疫学的記憶 / T細胞 / 樹状細胞 |
Research Abstract |
本研究では、記憶T細胞形成に重要な役割を担う抑制性シグナルの可視化技術を開発し、生体内における記憶T細胞の局在を明らかにし記憶形成のメカニズムの解明を目指している。記憶T細胞で高発現する抑制性転写因子BATFの発現を可視化するためBATFのプロモーター領域にGFP遺伝子を結合したレポーターミニ遺伝子を構築して蛍光蛋白質の発現によりBATFの発現を可視化しモニターする計画であったが、シグナルが弱い等の問題が見つかったため、(1)GFPをより蛍光強度の強い他の蛍光蛋白質(ZsGreenやdsRed Express2)に置き換えたDNAコンストラクトと、(2)検出システムを変更してルシフェラーゼ遺伝子を結合したDNAコンストラクトを作成し、細胞に遺伝子導入し、安定発現細胞株の樹立を進めている。これらの細胞株を用いてBATFの発現を直接的に誘導する物質とシグナル経路の同定を進める予定である。一方、BATF-GFP knock-inマウスを用いて生体内における記憶T細胞の局在を調べる実験に関しては、昨年研究機関の移動したため、凍結胚からマウスを個体化し、ホモ化まで順調に進んでいるので繁殖次第実験を再開する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究機関の移動により研究の中断はあったが、昨年計画の見直しによりあらたに設定した平成25年度の目標のうち、可視化に使用する(1)蛍光蛋白質の変更と(2)検出系の変更を実施できた。マウスを用いたin vivoの実験に関しては、マウスの搬入に時間を要したが個体化は順調に進んでいるので、繁殖次第実験を再開する予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
新しい3種類のDNAコンストラクトをT細胞株や樹状細胞株等に遺伝子導入して安定発現細胞株を樹立し、BATFの発現を最も正確かつ高感度に検出できるシステムを選択する。また研究機関の移動により動物の移動および繁殖に時間を要しているが、マウスが増え次第BATF-GFP knock-inマウスの組織学的解析に重点を置いて解析を進める予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成25年4月1日付で産業医科大学医学部教授に採用されたため、研究室の移転と新研究室の立ち上げで、研究が一時的な中断したため実験計画に変更が生じた。 細胞株樹立のため、遺伝子工学関連試薬、細胞培養関連試薬、プラスチック製品などの消耗品を購入する。また今年度はin vivoの実験を多数予定しておりマウスの購入・飼育費用の支出も予定している。さらに研究成果を発表するため国内学会参加の旅費の支出も予定している。
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