2013 Fiscal Year Research-status Report
IVIM MRイメージングを用いたリンパ節転移診断
Project/Area Number |
24592837
|
Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
角 美佐 長崎大学, 医歯(薬)学総合研究科, 准教授 (90284702)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中村 卓 長崎大学, 医歯(薬)学総合研究科, 教授 (30172406)
角 忠輝 長崎大学, 医歯(薬)学総合研究科, 准教授 (80284701)
佐々木 美穂 長崎大学, 大学病院, 助教 (10437874)
榮田 智 長崎大学, 医歯(薬)学総合研究科, 助教 (80325662)
市川 陽子 長崎大学, 大学病院, 助教 (90380857)
|
Keywords | IVIM / DWI / リンパ節 |
Research Abstract |
1. 当病院にて10種のb値(10, 20, 30, 50, 80, 100, 200, 300, 400, 800 sec/mm2)を使用したIVIM MRIを施行した頭頸部SCC患者のうち、病理組織学的にSCCの転移が確定した頸部リンパ節を対象とし、f (灌流の割合)、D (真の拡散を表す拡散パラメータ)、D* (灌流を拡散とみなした時の灌流に関連する拡散パラメータ)の3つのパラメータについて検討したところ、リンパ節のfとDとD*は、いずれも広く分布していた。リンパ節の大きさ(短径)と、f、D、D*それぞれとの間に相関があるか検討したところ、明らかな相関は見られなかった。なお、f、D、D*は、b値を増加させると、Sb/S0 = (1-f)・exp(-b・D) + f・exp[-b・(D+D*)] の式に従ってbiexponentialに減衰すると仮定し求めた。 2. 当病院にて、500, 1000 sec/mm2の2つのb値を用いたDWIを施行した頭頸部癌患者のうち、病理組織学的にSCC転移または悪性リンパ腫の罹患が確認できた頸部リンパ節を対象とし、灌流に関連するパラメータperfusion-related parameter(PP)について検討したところ、PPは、SCC>悪性リンパ腫であり、リンパ節病変の鑑別に有用である結果が得られた。この結果を論文にまとめ、European Radiologyに投稿、受理された。 なお、PPについては、横軸にb値、縦軸にLn Sbをプロットしたグラフ上で、S500とS1000を通る直線が縦軸と交わる切片をLn Siとしたとき、(S0 - Si)/ S0 で得られる値と定義した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
DWIから得られる灌流情報が、リンパ節病変(悪性リンパ腫とSCC転移)の鑑別に有用である結果が得られ、この結果を論文にまとめ、European Radiologyに投稿、受理された。
|
Strategy for Future Research Activity |
転移リンパ節を対象に、節外浸潤の有無と、IVIM MRIで得られる灌流情報との関係を明らかにし、転移や節外浸潤の診断基準になる灌流情報について検討する。
|
Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
本年度(25年度)は、24年度~25年度の実験により得られた結果を論文にまとめ発表することができたが、論文作成に時間を費やした分、実験がやや遅れ、予定より支出額が少なくなった。次年度(26年度)に25年度に予定されていた残りの実験を行うことになるため、次年度使用額が生じた。 次年度(26年度)は、IVIM MRIを用いたリンパ節診断能法の確立を最終目的とする。これにあたって、頭頸部SCC患者の転移リンパ節の切片を作製、HE染色後、転移の有無、転移巣の大きさ、節外浸潤の有無、実質や間質の状態について観察し、24~25年度の検討で得られた転移の診断基準および節外浸潤の診断基準となるそれぞれのパターンの妥当性について検討するため、これらの実験器具を必要とする。さらに、MRピクセルベースのIVIMパターンマップ(IVIMマップ)を作成し、IVIMマップを使用したピクセルベースの診断法についても検討する予定であり、マップの作成にあたっては、2011年に私たちが報告した方法(J Magn Reson Imaging 33, 830-8, 2011)に準じて、MathematicaソフトならびにImage Jを利用するために、Mathematicaソフトならびにコンピュータを必要とする。
|