2012 Fiscal Year Research-status Report
口腔がん発症における脱アセチル化酵素と転写因子の果たす役割
Project/Area Number |
24592839
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Health Sciences University of Hokkaido |
Principal Investigator |
小林 正伸 北海道医療大学, 看護福祉学部, 教授 (80241321)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 低酸素環境 / 低栄養環境 / 脱アセチル化酵素 |
Research Abstract |
申請者は、癌細胞が低グルコース環境で発現亢進してくる遺伝子の探索、低酸素・低グルコース環境下で発現亢進する遺伝子の探索を行った結果、両環境下で、数十個の遺伝子が発現亢進することを明らかにし、その一部の遺伝子がアポトーシス抵抗性に関与していることを明らかにしている。その過程で、低酸素・低グルコース環境下で発現亢進する遺伝子の中に、BCL-6遺伝子と脱アセチル化酵素であるSIRTファミリーの中の一つである、SIRT7遺伝子がともに発現亢進していることを明らかにした。本年度はそれ以外に以下の成果が得られた。低酸素・低栄養条件下で発現亢進する遺伝子として同定されたAMPKは、α、β、γ subunitのヘテロトリマーで、細胞のエネルギー恒常性をいじするための重要なエネルギーセンサーとして働いている。エネルギー不足状態になると、AMPKの172番目のスレオニンが腫瘍抑制LKBによってリン酸化される。この過程を詳細に検討するために、east two hybrid systemを用いてAMPKαに結合するタンパクとして核タンパクArtemisを同定した。免疫沈降法を用いると、ArtemisとAMPKαは核タンパクとして沈降し、免疫染色にて核内に両方とも存在することが確認された。Artemisを強制発現すると、AMPKαのリン酸かが増強し、AMPKのsubstrateであるacetyl-CoA carboxylase (ACC)のリン酸かも増強した。RNAiでArtemisを抑制すると、AMPKとACCのリン酸かも抑制された。Artemisは、AMPKαとLKBの結合を増強した。 以上の結果は、ArtemisはAMPKとLKBの結合を安定化することで、AMPKのシグナルを促進すると考えられた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
予定の課題はほぼ明らかにした。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、低酸素・低栄養環境下で発現亢進するSIRT7とBCL-6が協調してBCL-6の転写抑制活性を亢進させて、アポトーシスに対する抵抗性を付与している機構を証明する。さらにBCL-6を阻害する方法を探索する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
消耗品に使用予定。
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Research Products
(1 results)