2014 Fiscal Year Annual Research Report
PET用薬剤としてのF18標識コリンの集積機構と臨床への展開
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24592840
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Research Institution | Iwate Medical University |
Principal Investigator |
小豆島 正典 岩手医科大学, 歯学部, 教授 (00118259)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
寺崎 一典 岩手医科大学, 医学部, 講師 (60285632)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | pet / fdg / oral cancer |
Outline of Annual Research Achievements |
PET検査で最も使用される癌細胞トレーサーは18F-FDGである。筆者は、口腔癌において顎骨浸潤を伴う原発巣では18F-FDG集積が非常に高いことを本研究課題にて見出している。このような特徴は11C-コリンあるいは18F-コリンでは認められなかった。昨年度から引き続き、歯肉癌から顎骨に骨浸潤がある症例と、癌治療後の経過観察中に起こった放射線性骨髄炎の鑑別に対する18F-FDGを用いたPETの有用性を検討した。下顎骨髄炎が疑われたが、病理学的診断あるいは治療後の経過観察から癌が否定された6例においてFDG-PETが施行できた。対象症例は下顎骨に癌浸潤を認める下顎歯肉癌20例とした。その結果、骨髄炎のSUVは6.2±1.9であり、下顎歯肉癌では11.2±5.7となり、統計学的にも骨髄炎に対するFDG集積は歯肉癌より低値を示すことが明らかになった。またSUVが8以上の場合、癌再発の可能性が極めて高いことが推測された。一方、歯肉癌ではFDG投与後1時間移行もSUVが徐々に上昇することが知られている。今回、下顎骨髄炎でも上記所見が認められるか否かを検討した。今期は3例に対し、FDG投与1時間後の早期像および2時間後の後期像のPETが施行できた。その結果、後期像は早期像と比較し、同等もしくは軽度上昇することが示され、癌と骨髄炎とをFDG集積の経時的変化から鑑別することは困難であることが明らかになった。
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