2013 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
24592846
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Research Institution | The Nippon Dental University |
Principal Investigator |
佐藤 健児 日本歯科大学, 生命歯学部, 准教授 (50130670)
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Keywords | 歯科用コーンビームCT / 診断参考レベル / 面積線量 / 線量データベース |
Research Abstract |
国際放射線防護委員会(ICRP)は放射線診断における患者防護の最適化を促進するため、広く行われている検査に対して診断参考レベル(DRL)の利用を勧告しているが、歯科用コーンビームCT(CBCT)のDRLはまだ報告されていない。そこで、NPO法人日本歯科放射線学会では、CBCTの日本におけるDRLを設定し、患者防護の最適化を促進することを目標として、その第一歩として平成25年(2013)9月に29の大学歯学部および歯科大学附属病院での撮影条件と撮影件数のアンケート調査を行った。この調査結果に基づいてCBCTによる患者線量を評価した。 調査内容は、平成24年(2012)の1月~12月の各月の撮影件数、および最も多い撮影件数の月における撮影条件ごとの撮影件数である。アンケート調査を依頼した29の大学歯学部および歯科大学附属病院のうち、25の附属病院で使用されている4メーカ32台のCBCTについて集計した。 面積線量(DAP)は、面積線量計による直接測定および線量計/ペンシル型電離箱による空中CT線量指数(CTDIair)と空中線量-長さ積(DLPair)から推定した間接測定によって得た。CTDIairとDLPairから求めたDAPのデータ数は、全体の約12.5 %であった。回転中心における空気カーマはDAPをFOV面積で除した値である。DRLは、最も多い撮影件数の月における撮影条件ごとの空気カーマに対する撮影件数分布の第3四分位数とした。 空気カーマの平均、中央値、第3四分位数はそれぞれ、15歳超で24.2、21.2、28.2 mGy、15歳以下で21.2、16.8、24.1 mGy、全患者で23.6、18.7、27.6 mGyであった。第3四分位数を丸めたDRLは15歳超と全患者群では28 mGyであり、15歳以下では24 mGyとなった。 さらに、新たなCBCT装置の線量測定を行い、CBCT線量データベースの拡張を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成25年度の研究計画は24年度と同じ内容、つまり複数の歯科用コーンビームCT(CBCT)の面積線量(DAP)を測定するとともに、CBCT線量データベースを作成することであった。 25年度は6台のCBCTのDAPの測定を行い、データベースが拡充された。さらに、日本における歯学部および歯科大学付属病院におけるアンケート調査によるCBCTの撮影件数とデータベースから、最終目標(平成26年度)であるCBCTの診断参考レベル(DRL)のを評価することができた。 したがって、平成25年度の研究目的の達成度を「おおむね順調に進展している」とした。
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Strategy for Future Research Activity |
平成26年度は、①さらに新たなCBCTの線量測定を行い、②CBCT線量データベースを拡充し、③歯学部および歯科大学附属病院にぽける診断参考レベルに関する論文を投稿することである。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
次年度使用額が生じた理由は、線量測定に用いる線量計と電離箱が複数あるが、25年度に使用する線量計/電離箱の校正をすべて行うと25年度予算を超えるため、半数の線量計/電離箱の攻勢を行った。そのため、その差額として次年度使用額が生じた。 次年度使用額は、25年度に校正できなかった線量計/電離箱の校正に使用する予定である。
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Research Products
(7 results)