2013 Fiscal Year Research-status Report
NK細胞活性化におけるIL-17の役割ー炎症の発症機序解明のための解析ー
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24592853
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Research Institution | Osaka Dental University |
Principal Investigator |
井上 博 大阪歯科大学, 歯学部, 講師 (10330143)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
合田 征司 大阪歯科大学, 歯学部, 講師 (70351476)
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Keywords | NK細胞 / IL-17 |
Research Abstract |
近年、炎症誘導性サイトカインのIL-17が注目されている。IL-17は獲得免疫だけでなく自然免疫においても種々の細胞に作用して、炎症性サイトカインやケモカインなど種々の因子により炎症を起こすことがわかってきた。NK細胞は、自然免疫に関係しており生体内のウイルス感染細胞などを認識し傷害する。IL-17のNK細胞に対する影響を検討することによって炎症の発症機序解明を進めるために研究を行っている。今年度は以下の研究を行った。1. NK92細胞の顆粒放出能に対するIL-17の効果について:NK92細胞にIL-17刺激を加え、24時間培養して上清中に放出されたグランザイムBやパーフォリン1をウエスタンブロット法により検出した。IL-17単独刺激においてNK92細胞からのグランザイムBとパーフォリン1の放出に著明な変化は確認されなかった。2. NK92細胞の顆粒放出能に対するIL-17の協調効果について:NK92細胞に各種試薬(IL-17,IFN-γ,IL-2及びCD2)による刺激を加え、24時間培養して上清中に放出されたグランザイムBやパーフォリン1をウエスタンブロット法により検出した。IFN-γ,IL-2とCD2刺激にIL-17刺激を加えることによる協調効果を検討した。NK92細胞からのグランザイムBとパーフォリン1の放出におけるIL-17の協調効果による著明な影響は認められなかった。現在IL-17の濃度変更や使用抗体を変更する事によりIL-17による著明な変化が認められるか確認を行っている。3. IL-17刺激による細胞内シグナル伝達物質の解明: NK92を各種濃度のIL-17にて刺激した後、細胞を可溶化してウエスタンブロット法にてリン酸化p38の検出を行った。IL-17刺激によりp38のリン酸化が減少する傾向がみられた。現在確認実験を行っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
グランザイムBやパーフォリン1などの細胞内顆粒放出におけるIL-17の影響を検討しているが、至適濃度の決定や有効な抗体の確認が出来ていない。また、細胞内シグナル伝達物質の解明においてもP38以外の物質の同定がまだ出来ていない。
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Strategy for Future Research Activity |
グランザイムBやパーフォリン1などの細胞内顆粒放出におけるIL-17の至適濃度の決定。細胞内顆粒放出におけるIL-17の影響をウエスタンブロット法に有効な抗体を用いて確認する。IL-17刺激によるp38のリン酸化の影響を確認し、p38以外の細胞内シグナル伝達物質の解明を行う。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
今年度は、グランザイムBやパーフォリン1などの細胞内顆粒放出におけるIL-17の影響を検討するのに時間が掛かった。そのため細胞内シグナル伝達物質を解明するための実験期間が縮小された。故に、細胞内伝達物質解明のために使用する抗体の予算に余剰が生じた。 前年度に引き続き細胞内伝達物質解明のための実験を行い、その実験に使用する抗体の購入費用に充てる予定である。
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