2012 Fiscal Year Research-status Report
口腔癌リンパ節転移での腫瘍細胞・リンパ管の相互作用機序とその抑制へのアプローチ
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24592856
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Research Institution | Fukuoka Dental College |
Principal Investigator |
谷口 邦久 福岡歯科大学, 歯学部, 教授 (90105685)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大野 純 福岡歯科大学, 歯学部, 講師 (10152208)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 扁平上皮癌 / スフェロイド / 癌幹細胞 / ALDH / 免疫染色 / DEAB |
Research Abstract |
H24年度は、ヒト癌細胞からのスフェロイド培養の確立を試みた。使用したヒトがん細胞は、肝癌細胞(HepG2)、口腔扁平上皮癌細胞 (HSC-2, HSC-3, HSC-4, Ca9-22)を用いた。96-wellのLow-binding plateを用いて、スフェロイド形成を行った。培養4日目でスフェロイド体の容積が極限となることが確認された。4日目以降は、スフェロイド体容積の増加は認められなかった。また、播種する細胞数を1,10,100,1000および10000個として培養をすると、播種細胞数に依存してスフェロイド体容積の増加傾向がみられた。しかしながら、10000細胞数からのスフェロイドは、球形とはならずブドウの房状あるいは数個のスフェロイド体の形成を認める傾向にあった。また、1~10細胞数では、細胞増殖はみられたがスフェロイド形成率は20%以下であり、100および1000細胞数の100%と比較すると形成率の低下を認めた。低細胞数からのスフェロイド形成率の低下は、播種した細胞内に癌幹細胞の含有の有無に影響されると考えられた。そこで、癌幹細胞のマーカーとして知られているaldehyde dehydrogenase (ALDH)の発現およびスフェロイド形成への影響を検討した。ALDEFLUOR assay 法により癌スフェロイドにおいても、構成細胞群の約15%にALDH活性を示した。平板培養においても、発現率は10~20%であり、ほぼ同様の発現率であった。しかしながら、real-time PCR法によるALDH mRNA発現は、癌スフェロイドの方が、平板培養群よりも有意に上昇していた。さらに、ALDH活性阻害剤であるDEAB投与によるスフェロイド培養において、スフェロイド形成能は低下した。以上の結果から、癌スフェロイドの形成は癌幹細胞の関与が推測された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
H24年度は、口腔扁平上皮癌によるスフェロイド形成を確立することはできた。しかしながら、リンパ管内皮細胞との共培養によるスフェロイド形成に関する検索が遅れているため。
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Strategy for Future Research Activity |
リンパ管内皮細胞の培養法を確立させ、扁平上皮癌との共培養を行う。また、H24年度に得られた結果から、単離した癌幹細胞とリンパ管内皮細胞との共培養を行い、癌関連リンパ管新生・増生を検討する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
H24年度結果から、癌スフェロイド形成に癌幹細胞の関与が明らかとなった。それに伴い、癌幹細胞の単離による実験系の構築が必要となったため。
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Research Products
(2 results)