2013 Fiscal Year Research-status Report
歯髄選択血流計を試作し、血流検出を基準とした新しい歯髄診査法の有用性を検証する
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24592859
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
井川 資英 東北大学, 大学病院, 助教 (80176065)
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Keywords | 歯髄 / 血流 / レーザードップラー / ヒト |
Research Abstract |
本研究は歯髄血流測定専用のレーザードップラー血流計を試作し、血流測定の歯髄診断への応用の可能性を探ることである。平成24年度には、専用の周波数解析装置を用いて、歯髄血流によって生じるレーザードップラー周波数シフトを詳細に解析した結果、歯髄では周波数シフトが5kHz程度までであり、解析域を5KHz程度とした低流速測定血流計が歯髄血流測定に有用であることを考察した。 本年度(平成25年度)は、低速の血流のみを測定対象とする試作レーザードップラー血流計と市販のレーザードップラー血流計とを用いてヒト歯髄血流を同時測定した結果、試作血流計がすべての歯から脈波を確認し、有意に大きな信号が得られた。以上の成果は国際学術雑誌に投稿掲載済みである(Xiaofu Qu, Motohide Ikawa, Hidetoshi Shimauchi, Improvement of the detection of human pulpal blood flow using a laser Doppler flowmeter modified for low flow velocity. Archives of Oral Biology Volume 59, Issue 2, February 2014, Pages 199-206) さらに、歯髄血流によって生じるドップラーシフトのパワースペクトラム解析と血流信号の同時表示を行い、かつドップラーシフトの解析周波数帯域が可変であるといった仕様の歯髄専用血流計を試作し、その有用性を検証した結果、解析する信号のサンプリング時間が20ms以下に短縮することで、明瞭な信号の抽出が可能になることを明らかにし、現在も検出性能の向上に取り組み続けている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度の研究予定は、歯髄専用レーザードップラー血流計の試作改良を進めながら、実際のヒト歯髄を対象として測定を行ない、従来からの歯髄臨床診断との比較検討を行うことであった。 その結果、通常の血流計に比較し、歯髄専用レーザードップラー血流計では歯髄血流由来脈波をより多く確認でき、有意に大きな信号を検出できたことから、今年度の研究目標は達成されたものと、評価できる。
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Strategy for Future Research Activity |
当初の研究計画に大きな変更は必要ないと考えられるので、平成25年度に行った研究を基本的に継続して行う。すなわち、歯髄専用レーザードップラー血流計の試作改良を継続しながら、実際のヒト歯髄を対象として測定を行ない、従来からの歯髄臨床診断との比較を行い、歯髄診断への応用の可能性を探る。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
試作歯髄血流測定専用レーザードップラー血流計の改良に伴う演算回路の修正に関する設計に若干の遅延が生じ、それに伴う経費執行が遅延した。 上記試作歯髄血流測定専用レーザードップラー血流計の改良に伴う演算回路の修正に関する設計が完了次第、経費使用を執行する予定である。
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Research Products
(2 results)