2014 Fiscal Year Annual Research Report
歯髄選択血流計を試作し、血流検出を基準とした新しい歯髄診査法の有用性を検証する
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24592859
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
井川 資英 東北大学, 大学病院, 助教 (80176065)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 歯髄 / 血流 / ヒト / レーザードップラー / 診断 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は歯髄血流測定専用のレーザードップラー血流計を試作し、血流測定の歯髄診断への応用の可能性を探ることである。 本年度は、歯髄血流の検出感度の向上を目的とし、その方策の一つとして測定対象となる歯髄の異なる流速に応じた血流計、すなわちドップラーシフトの分析帯域が固定された従来型の血流計でなく、分析帯域を可変できる血流計の試作を行った。この分析帯域が可変な血流計は、指尖のような血流量の多い組織での測定は可能であったけれども、歯髄のような低測定流量の組織では脈波を確認できるだけの信号検出には至らなかった。そして、この原因として、信号のサンプリング時間が20msでは長過ぎることを解明した。また、血流計の光源に関して、従来の近赤外光ではなく周囲組織への散乱の減少が見込まれる緑色レーザーの使用を試みたが、明瞭な脈波を検出するには至らず、歯髄血流の検出に最適であるという結論には至っていない。この原因としてレーザー光の波長幅の広さが考えられる。 3年間の研究期間を通じた成果の概要は、以下のごとくである。1)歯髄血流によって生じるレーザードップラー周波数シフトを詳細に解析した結果、歯髄では周波数シフトが平均で5kHz程度であった。2)ドップラーシフトの解析波長帯域を5KHz程度とした低流速測定血流計を試作し、試作血流計がヒト、特にこれまで検出が困難であった成人の歯髄血流測定に有用であることを明らかにした。 今後は歯髄診断をより精度の高いものにするという観点から、歯髄血流計の測定検出感度の向上を継続していくことに加え、歯髄の酸素飽和度測定にも取り組む必要がある。
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Research Products
(2 results)