2012 Fiscal Year Research-status Report
根管拡大形成操作解析装置の開発―シミュレータ使用のための検証―
Project/Area Number |
24592864
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
庭野 和明 新潟大学, 医歯学総合病院, 助教 (80301183)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | シミュレータ / 根管形成操作 / トルク / 荷重 / パターン抽出 / 正規表現 |
Research Abstract |
本課題はファイルによる模型根管への根管形成操作時に模型へ作用するトルク、荷重をひずみゲージをセンサとして200Hzでサンプリングを行い、モニタ上の2次元直交座標にサンプリングデータ点をリアルタイムで描記する装置の開発、および同装置を用いて自己操作のデータ点軌跡視認下での特定の根管形成操作(Watch-winding motion以下WWM)訓練が同操作の技能向上に及ぼす影響について検証し、シミュレータとしての使用可能性を検討するものである。 24年度はWWMによるファイル操作の評価方法について検討を行った。訓練による技能向上を評価するためには描記された全てのデータ点軌跡からWWMパターンを抽出し解析することが必要となる。そのためのパターン抽出法として以下の方法を開発した。 はじめにトルク(x軸)、荷重(y軸)のサンプリング数値データに対し、トルク、荷重各々に隣接データ差分により速度を定義し、次にこれを正、負、ゼロに3分類して組み合わせ、任意サンプリング時刻データ点の状態を運動方向により9状態に分類した。さらに別にデータ点が存在する位置状態として2次元直交座標の4象限領域および原点の5状態に分類し、前述の9状態と組み合わせて45状態に細分して英数字1文字(大文字、小文字を区別)で各状態を命名した。サンプリング数値データを状態名の文字列へ変換した後、第3および第4象限相互間の一方向トルク変動を表す(荷重変動は許容)正規表現により検索することでWWMパターンを抽出することが可能であった。 本検討の内容は日本歯科保存学会平成25年度春季大会に発表予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本課題で使用するトルク荷重計測表示システムのハードウエアはプロトタイプ開発がほぼ終了しており、現在のシステム開発はソフトウエア開発が中心となっている。本システムではこれまで評価方法として特定の根管操作(WWM)による2次元直交座標上でのトルク荷重データ点描記位置をモデル化した長方形領域を設定し、領域内のデータ点数により評価を行っていたが、24年度に開発した運動パターン抽出法を組み合わせて使用することでさらに詳細に技能評価を行うことが可能となった。本法検討の過程では正規表現を簡便に取り扱えるPerl言語を動作検証ソフトウエアの一部に使用した。検証により、パターン抽出が可能であったことから正規表現を本システムソフトウエア記述言語であるC言語で使用することを目的として既存の正規表現ライブラリ(PCRE:Perl Compatible Regular Expressions)の使用が容易なコンピュータOS (linux)へ開発環境変更を行って、これまで開発したソフトウエアを新環境へ移植した。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度に開発した運動パターン抽出法をサンプリング・リアルタイムトルク荷重データ点表示ソフトウエアに組み込み、術者が操作を終了した直後に数値および抽出したデータ点軌跡により結果表示してフィードバックを行えるソフトウエアを開発中である。 今後、開発と平行して予備実験を行い、本実験でのファイル操作訓練プロトコールの詳細について検討するとともにサンプリングソフトウエアにも反映させる。25年度では計測後即時フィードバック可能なサンプリングソフトウエアを使用し、訓練と技能向上の関連検証実験に着手する予定である。またシステム装置の改良、メインテナンスを継続して行う。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
25年度は主要な物品の購入を必要としない。システム装置開発、メインテナンスと実験機材(模型、ファイル等)購入に係る消耗品購入費および発表に係る経費が必要である。
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