2013 Fiscal Year Research-status Report
ヒト骨髄間葉系幹細胞を用いた全能性・胚性幹細胞の誘導に関する研究
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24592867
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
伊澤 俊次 岡山大学, 医歯(薬)学総合研究科, 助教 (20273998)
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Keywords | 骨髄間葉系幹細胞 / 細胞の初期化 / 全能性 / 胚性幹細胞(ES細胞) / 組織再生 |
Research Abstract |
平成24年度の実績に従い、免疫賦活因子および全能性賦活因子としてTNFαに着目し、さらに発生環境因子としてアクチビンAを用いて細胞初期化実験を行った。 材料と方法は,第5継代hMSCを実験に用いた.培地としてSTK2+1%ペニシリンストレプトマイシンを用い, 免疫開始因子としてTNFαを,環境因子としてアクチビンA を用い,Dishにて培養し(1群,試験群),因子を加えない2群(対照1群), TNFαのみを加えた3群(対照2群),アクチビンAのみを加えた4群(対照3群)間で、初期化の指標となる遺伝子OCT-4等の経時的発現についてリアルタイムPCR法を用いて調べた.遺伝子発現の定量分析にはThermal Cycler Dice Real Time System(TaKaRa)を用いて行った結果,TNFαとアクチビンAの組み合わせ因子がプロファイル初期化に有用であることが示唆された.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度は昨年度の実績に従い、細胞の初期化に重要な関与をしているエピジェネティック制御に着目し,免疫反応開始因子としてTNFαを用い,さらに発生環境因子としてアクチビンAを用い,エピジェネティック制御の初期化の指標となる遺伝子OCT-4等の発現について調べた. 試験群では対照3群と比較して初期化の指標となる遺伝子OCT-4等が高度に発現し,hMSCsのTNFαとアクチビンAの組み合わせ因子がプロファイル初期化に有用であることが示唆された. この結果・結論より,ES細胞の初期化が可能になれば,cellular shuttlingの概念に基づき,生体が本来備えている自然治癒力,自然再生力の賦活因子により,骨髄間葉系幹細胞を全能性/胚性幹細胞に誘導し,象牙質・エナメル質複合体の再生のみならず,歯の再生までも可能になりその意義は絶大である.
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Strategy for Future Research Activity |
絞り込まれた有力な初期化因子TNFαとアクチビンAを用い、さらに胚性幹細胞発生環境下で初期化因子発現を抑制している転写因子をコントロールしつつ, cellular shuttlingの概念に基づき自然治癒力あるいは再生力賦活による胚性幹細胞の誘導実験を行う.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
物品を予定より安く購入できたため未使用額が生じた。 次年度の研究費は,まず,初期化因子TNFαおよびアクチビンA等の購入,幹細胞の購入,胚性幹細胞の誘導の検証試験試薬の購入に充てる.さらに, マイクロアレイ法およびリアルタイムPCR法を用い発現遺伝子およびマーカーの発現変化を経時的に比較解析するための材料費に,また必要に応じてフローサイトメーターを用いて,発現遺伝子,マーカーの発現変化を比較解析し,最終的にヒト胚性幹細胞のマイクロアレイ法による既知データと,本研究による解析データを比較して,その同一性を検証するための各種材料費に充てる.
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Research Products
(1 results)