2014 Fiscal Year Annual Research Report
ヒト骨髄間葉系幹細胞を用いた全能性・胚性幹細胞の誘導に関する研究
Project/Area Number |
24592867
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
伊澤 俊次 岡山大学, 医歯(薬)学総合研究科, 助教 (20273998)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 骨髄間葉系幹細胞 / 脂肪由来幹細胞 / 免疫賦活因子 / 環境因子 / 細胞の初期化 / ES細胞 / 組織再生 |
Outline of Annual Research Achievements |
これまでのヒト骨髄間葉系幹細胞(hMSCs)を用いた象牙質・エナメル質複合体の再生実験の研究成果および実験計画遂行の過程から, hMSCsは潜在的全能性を保持し,分化してもその全能性が保たれること,そして炎症性サイトカインの刺激により,組織特異的な全能性が賦活されることを発表した(2010年,11月,日本再生歯科医学会学術大会,名古屋).そこで本研究では,これらの成果をもとに,生体が本来持っている 免疫能力,再生能力を最大限に賦活させ,齲蝕などで失われた象牙質,エナメル質の再生のみならず,歯の再生を目標として, hMSCsを用いた全能性/胚性幹細胞の誘導実験を計画した.平成24年度は,ES細胞の初期化因子の探索を行い,TNFαなどがES細胞の初期化に有用であることが示唆された.平成25年度はこの実績に従い,免疫賦活因子および全能性賦活因子としてTNFαに着目し,さらに発生環境因子としてアクチビンAを用いて細胞初期化実験を行った.その結果,初期化の指標となる遺伝子OCT-4等が高度に発現し,hMSCsのTNFαとアクチビンAの組み合わせ因子がhMSCsのプロファイル初期化に有用であることが示唆された.そして最終年度平成26年度はhMSCsだけでなくヒト脂肪由来幹細胞(hASCs)のプロファイル初期化について調べた.その結果TNFαとアクチビンAの組み合わせ因子がhASCsにおいてもプロファイル初期化に有用であることが示唆された.これらの結果から,TNFαとアクチビンAの組み合わせ因子は全ての組織に存在する組織幹細胞を初期化して全能性細胞(ES細胞)の誘導を示唆している.この成果はTNFαとアクチビンAの組み合わせ因子がhMSCsやhASCsなどの組織幹細胞を初期化してES細胞を誘導し歯の再生のみならず全身の組織の再生が可能になりその意義は絶大である.
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Research Products
(1 results)