2013 Fiscal Year Research-status Report
天然生理活性ペプチド画分の前骨芽細胞系におけるコラーゲン翻訳後修飾制御の解析
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24592875
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
山田 志津香 長崎大学, 医歯(薬)学総合研究科, 准教授 (00363458)
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Keywords | 魚コラーゲンペプチド / 分子ふるいクロマトグラフィー / 飛行時間型質量分析法 |
Research Abstract |
これまでの研究で、焼津水産化学工業株式会社から供与された魚由来コラーゲンペプチド(FCP)が、マウス頭蓋骨由来前骨芽細胞系であるMC3T3-E1細胞の分化、コラーゲン翻訳後修飾関連遺伝子ならびにコラーゲン合成を促進させることが明らかとなっていた。しかし、実験に用いたFCPは分子量がSDS-PAGE解析で~5 kから13 kDa、飛行時間型質量分析法で~2 kから~8 kDaと幅広く存在していることが判明し、どの分子量領域が生理活性をもつのか、不明であった。 そこで、平成25年度は、まずFCPを分子量別に分画することを計画した。分画するために、分子ふるいクロマトグラフィー(Prominence分取システム:島津製作所製)を用いた。カラムはHiLoad 16/600 Superdex 75 (GEヘルケア・ジャパン社)、緩衝液は0.05M 炭酸水素アンモニウムを使用した。サンプルの流速は0.75 mL/分に設定した。 そして、分子ふるいクロマトグラフィー開始時間65分から153分の間のフラクションを回収し、分子量の大きい順からフラクションI、II、IIIと3つの分画にまとめた。次に、飛行時間型質量分析計(Shimadzu Biotech Axima Resonance:島津製作所製)を用いて、各フラクションの分子量を分析した。その結果、フラクションIは、約3 k~8.8 kDa、フラクションIIは約2.4 k~7.9 kDa、フラクションIIIは約1.8 k~7.6 kDaの分子量のFCPを含むことが明らかとなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
魚コラーゲンペプチド(FCP)の分画の行う際に使用した分子ふるいクロマトグラフィーシステムを島津製作所のご厚意により平成25年度の早期に貸与する予定であったが、先方の都合により貸与時期が大幅に予定より遅れてしまったため、サンプルの回収に時間がかかった。
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Strategy for Future Research Activity |
フラクションI、II、IIIのMC3T3-E1細胞への影響をリアルタイムPCR法やコラーゲン架橋分析法を用いて調査する予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
魚コラーゲンペプチドの分画の開始時期が遅れたため、MC3T3-E1細胞を用いたリアルタイムPCR解析の検討までできなかったため、物品費支出が予定よりも少なく、次年度使用額が生じた。 次年度に、in vitroの系で、まずリアルタイムPCR解析を行い、コラーゲン架橋分析とともに助成金を使用する予定である。
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