2012 Fiscal Year Research-status Report
象牙質知覚過敏症における知覚メカニズムの解明:浸透圧による象牙芽細胞の応答
Project/Area Number |
24592876
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
徳田 雅行 鹿児島大学, 医歯(薬)学総合研究科, 准教授 (20253891)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森元 陽子 鹿児島大学, 医学部・歯学部附属病院, 助教 (30437967)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | スクロース / 浸透圧 / 細胞死 / 象牙芽細胞 / 細胞内転写因子 |
Research Abstract |
マウス歯胚から分離された象牙芽細胞を用いて、スクロースによる浸透圧刺激を与えた結果、以下のような結果を得た。1)高浸透圧下(500~700mOsm)にて象牙芽細胞は象牙質マーカーであるDSPPおよびDMP1mRNAの発現は正常であることをRT-PCRにて確認した。2)浸透圧が700mOsm以上では、3時間培養で50%以上の致死率を認め(MTT assay)、またDAPI染色による観察においても核の破壊が確認された。3)アポトーシスの指標であるカスパーゼ3の分裂は、500~700mOsmで最大であり,500mOsmによる作用は3~6時間でその発現が優位に高かった(ウェスタンブロット法)。4)アポトーシスの別の指標であるアネキシンVアッセイ(FACScan)では、コントロールに比べ500mOsmで9.56%、700mOsmで17.4%のPI陽性細胞の比率を示した。5)500mOsm刺激による細胞内転写因子の発現動向をウェスタンブロット法にてみたところ、p38およびJNK MAPキナーゼの発現誘導がみられた。6)MAPキナーゼ阻害剤による高浸透圧下における細胞生存率をみたところ(MTT assay)、ERK, p38,およびJNKすべての阻害剤により、致死率が減少した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
スクロースを用いた浸透圧刺激による象牙芽細胞の応答をおもに細胞死との関連性はおおむねそのデータはとれたと思われる。細胞内転写因子の動向や発現様式も細胞死との関連性を確認した。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、浸透圧と炎症の関連性を炎症性ファクターの発現により確認する予定である。これについては、予備的に行った結果、あまり浸透圧は炎症性ファクターの発現を誘導しないというデータが出ているが、さらなる確認を行いたい。さらに、致死ファクターの発現解析および神経伝達物質の発現解析を行い、歯痛と浸透圧の関連性を明らかにする予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
おもに、その大半を実験歯薬や培地さらには培養器具の購入に使用予定である。
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Research Products
(1 results)