2014 Fiscal Year Annual Research Report
象牙質知覚過敏症における知覚メカニズムの解明:浸透圧による象牙芽細胞の応答
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24592876
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
徳田 雅行 鹿児島大学, 医歯(薬)学総合研究科, 准教授 (20253891)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森元 陽子 鹿児島大学, 医学部・歯学部附属病院, 助教 (30437967)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 象牙芽細胞 / スクロース / 高浸透圧 / 細胞死 / 分裂促進因子活性化タンパク質キナーゼ |
Outline of Annual Research Achievements |
スクロースで誘導される高浸透圧下での象牙芽細胞の応答を調べるために、マウス歯胚由来の象牙芽細胞株(OLC)を用いて実験を行った。象牙芽細胞のマーカーであるdentin sialophosphoproteinとdentin matrix protein 1は、RT-PCR法にて高浸透圧刺激に関係なく発現していた。細胞の生存率は、700 mOsm/Lで3 h 以上培養すると著しく低下した。 細胞および核の形態は高浸透圧刺激で不均等になった。活性型caspase-3の発現は、高浸透圧刺激で上昇した。アポトーシスの指標となるpropidium iodide陽性細胞が高浸透圧で増加していることがフローサイトメトリー解析で確認された。また、mitogen-activated protein kinase (MAPK) の活性化が高浸透圧刺激により誘導され、それらの阻害剤で高浸透圧による細胞死が減少した。以上のことから、スクロースによる高浸透圧刺激はMAPKを介して象牙芽細胞の細胞死(アポトーシス)を誘導することが示唆された。 また、代用甘味料であるキシリトールを用いた高浸透圧刺激に対する象牙芽細胞の応答を調べた。MTTアッセイにて測定したところ、キシリトールは象牙芽細胞の生存活性を抑制しなかった。キシリトールは、LPSで誘導されたIL-6の発現を一時的に抑制することがわかった。さらに、アクアポリン(AQP)-2の発現も免疫染色法にて確認した。AQPとTRPV1のインヒビターおよびTRPV1 siRNAがキシリトールの細胞死を増強することから、キシリトールによる細胞死からの逃避は、TRPV1とAQP-2が関与することが示唆された。
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