2012 Fiscal Year Research-status Report
仮想う蝕歯を用いたフォスフォフォリン改変型担体による歯髄保存療法の開発
Project/Area Number |
24592877
|
Research Institution | Health Sciences University of Hokkaido |
Principal Investigator |
小池 俊之 北海道医療大学, 歯学部, 助教 (10458135)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
斎藤 隆史 北海道医療大学, 歯学部, 教授 (40265070)
半田 慶介 北海道医療大学, 歯学部, 講師 (40433429)
|
Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2014-03-31
|
Keywords | フォスフォフォリン / 直接覆髄 / 修復象牙質 / 人工う蝕歯モデル |
Research Abstract |
新鮮なブタ下顎骨から歯を抜去し、歯髄、歯根膜等の軟組織を除去後、凍結粉砕することで象牙質粉を獲得した。洗浄、脱灰、透析、カルシウム沈殿、DEAEカラムクロマトグラフィー、リン酸分析等の工程を経てフォスフォフォリンを抽出した。得られたフォスフォフォリンの一部をタンパク質分析することにより、抽出したタンパクがフォスフォフォリンの特徴であるAsp(アスパラギン酸)とP-Ser(ホスホセリン)に富んだ強酸性リン酸化タンパク質であるかどうかを確認することでフォスフォフォリンの抽出と精製を行った。フォスフォフォリンは象牙質に特異的で石灰化に強く関与する非コラーゲン性タンパク質であり、本研究においては重要な材料の一つである。今後はこのフォスフォフォリンを用いた覆髄剤を試作し、動物実験に応用する予定であるが、より臨床に近い状態を再現するために、健全歯ではなく、人工的に作製したう蝕歯を用意する必要がある。仮想う蝕歯モデル作製の予備実験として、新鮮なブタ抜去臼歯を用いて、咬合面に象牙質内に限局した窩洞形成を行い、小西らの方法(日歯保存誌,1998)に従い、窩洞底部に0.1M乳酸ゲルを塗布し、セメントとレジンにて二重仮封を行った。37℃で水中保管後、24時間おきに仮封とゲルを除去し窩洞底部のビッカース硬さを測定した。その結果、これまでに報告されているう蝕象牙質の硬さに近い状態が得られたのは5日間経過例であることを確認した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
フォスフォフォリンの抽出にやや時間を要し、仮想う蝕歯モデルの予備実験を行ったまでであり、動物への移植実験に移行できなかったため。
|
Strategy for Future Research Activity |
仮想う蝕歯モデルの作製に関して、予備実験ではう蝕象牙質を硬度で判定したが、う蝕関連細菌が象牙細管内に侵入する様子、その条件等も動物実験を行う前に検証する必要があると思われる。う蝕関連細菌の侵入と象牙質の軟化が揃って、う蝕象牙質と判定できると考える。よって、予備実験内容に加えて、う蝕関連細菌を窩底に植菌し、象牙細管内に侵入する条件を検証すべきである。その結果をふまえて動物実験に応用し、仮想う蝕歯モデルを構築していく。
|
Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
該当なし
|