2014 Fiscal Year Annual Research Report
根面齲蝕の活動性把握への光干渉断層画像診断法の応用
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24592883
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| Research Institution | Nihon University |
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Principal Investigator |
黒川 弘康 日本大学, 歯学部, 助教 (10291709)
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2012-04-01 – 2015-03-31
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| Keywords | 光干渉断層画像法（OCT） / 根面齲蝕 / 脱灰抑制 / 石灰化 / S-PRGフィラー |
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| Outline of Annual Research Achievements |
S-PRGフィラーは，歯質の石灰化を誘導するイオンを供給するとされることから根面齲蝕の予防に有効と考えられる。そこで，S-PRGフィラー含有コーティング材が象牙質の脱灰抑制および石灰化に及ぼす影響について，光干渉断層画像法（OCT）を用いて観察するとともに，信号強度分布から最大ピーク強度値および1/e2幅を求めることによって検討した。さらに，三次元レーザ走査顕微鏡（LSM）を用いて表面性状の観察を行った。
測定にはウシ歯根部象牙質を用いた。試片の保管条件としては，コーティング材未塗布で実験期間を通じて人工唾液中に保管した試片をコントロール群，コーティング材未塗布で1日2回，0.1 M乳酸緩衝液に10分間浸漬した後，人工唾液に保管した試片を非コート群とした。コーティング材を塗布し，これを非コート群と同じ保管条件にした試片をコート群とした。
コントロール群および非コート群のOCT像は，実験期間を通じてシグナルの変化はほとんど認められず，最大ピーク強度値および1/e2幅ともに変化はなかった。一方，コート群におけるOCT像では，実験開始28日後では局在的に表層のシグナル輝度の低下が認められるとともに，幅が広くなった。また，28日後で最大ピーク強度値は約20 dB低下し， 1/e2幅は40 μm増加した。これは，コーティング材によって象牙質表面における脱灰が抑制され照射光線の散乱が少なくなるとともに，試片内部への光線透過性が増大したことを示すものである。象牙質表面のLSM像は，コート群では象牙細管の封鎖が観察され，非コート群と比較して平坦な表面性状が呈し，コート群において脱灰抑制効果が示された。
本実験の結果からS-PRGフィラー含有コーティング材は根面齲蝕の予防に有効であり，これを応用した際の歯質の状態変化を，OCTを用いて観察することが可能であった。
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