2014 Fiscal Year Annual Research Report
歯根膜から得た細胞を用いた三次元再構成培養組織を併用する歯の再植法に関する研究
Project/Area Number |
24592886
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Research Institution | The Nippon Dental University |
Principal Investigator |
五十嵐 勝 日本歯科大学, 新潟生命歯学部, 教授 (90168104)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
北島 佳代子 日本歯科大学, 新潟生命歯学部, 准教授 (00177841)
新井 恭子 日本歯科大学, 新潟生命歯学部, 講師 (10434143)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 歯根膜細胞 / 再生医学 / 三次元培養 / 再植法 / 移植 / 抜歯窩 / 歯根 / セメント質 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、Wister系雄性ラット5週齢10匹を使用した。環境に慣らした後、6週齢時にチオペンタール25 mg/kgを投与して全身麻酔を施し、手術台に固定した。上顎右側第1大臼歯(M1)の口蓋歯肉に浸潤麻酔を施し、歯科用エキスカベーターを抜歯用挺子として使用し、歯の抜去を行った。抜去歯の歯根表面を#11フェザーメスで擦過し、可及的に歯根膜組織を除去した後、近心根を根分岐部付近で切断し、抜髄と根管拡大を行った。根中央部を約2mmの大きさに調整し、歯根の長軸方向に沿って4分割し、滅菌生理食塩液中に浸漬し-30℃で凍結保存した。 抜歯4週後に抜歯窩相当部の歯肉を#15メスで切開し、歯肉を剥離して歯槽骨を露出させた。カーバイトバーを使用し、骨面に約0.5 mmの深さの窩洞を形成した。解凍した象牙質小片を窩洞内に埋入後、歯肉弁を復位した。創面の縫合は行わず、1 x 1.5 mm大の滅菌不織布に手術用アロンアルフアA「三共」(第一三共株式会社)を浸潤させて創面を被覆し終了した。術後2、4週時にラットを安楽死させ、被験部位を根尖部歯周組織も含めて摘出し、10%中性緩衝ホルマリン溶液中で固定を行った。試料を10%EDTAで脱灰後、通法に従いパラフィン包埋を行い、厚さ6μmの連続切片を作製後、HE染色を施し光顕にて観察した。 埋入した歯根片の多くは脱落し、歯肉下に残留したのは2例のみであった。埋入部に残存した象牙質小片は術後2週では、周囲組織に炎症性細胞浸潤はみとめられず、新生肉芽組織にて被包され、線維性治癒を示していた。マクロファージや破歯細胞の発現は明らかではなく、セメント質などの硬組織添加や歯根膜様組織の再生もみられなかった。骨小片が歯肉内に残存した場合、上皮突起から上皮細胞が伸長して被包しており、骨表面は凹凸を示し、吸収が盛んに生じていた。
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