2014 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
24592887
|
Research Institution | Kanagawa Dental College |
Principal Investigator |
花岡 孝治 神奈川歯科大学, 歯学研究科(研究院), 准教授 (40198776)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川股 亮太 神奈川歯科大学, 歯学研究科(研究院), 講師 (40329199)
|
Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
|
Keywords | フロー / 動的粘弾性 / フロアブルレジン / 重合収縮 / ベクトル / μCT |
Outline of Annual Research Achievements |
H25年度の報告に引き続き、μCTを用い重合時のフロー挙動を評価、分析を行った。規格レジン円筒窩洞(内径4mm、深さ2.4mm)に対し、3種条件:①全面接着:MPTS処理、②全面非接着:F-系界面活性剤(10F2S-3I)処理、③側壁のみの接着:側壁にγ-MPTS塗布、窩底部は10F2S-3I塗布)で接着させ、気泡を混入したフロアブルレジンを填入し、重合前後にμCTを撮影し、両者の画像変化を差分抽出することにより、自由表面での流れ込み量および窩洞全域で界面間隙を定量的に計測した。また、気泡をマーカーとして重合時の移動方向と移動量を可視化することでレジンの重合時のフローを求めた。 全面接着群での自由表面中央部分の大きな凹みは,側壁や窩底の広い部分で接着が得られたことに起因すると考えられた。また収縮ベクトルも接着領域に向かっており,接着の発現がレジンの流動性,収縮方向を決定する重要な要因となることが伺われた。これに対し、全面非接着群では収縮が接着界面全体で生じ自由表面に応力が集中しなかったのではないかと考えられた。一方,側壁のみの接着群では,側壁の接着が維持するように,重合収縮が自由表面および窩底の両者で補償されたこと推察された。また、3種接着群間で、自由表面と側壁の総収縮量には統計学的に差がなかったことから、重合収縮は自由表面の外形変化および接着の劣る窩壁からの剥離として必然的に現れ,コンポジットレジン内の流れは接着し拘束されている方向に向かうことが示された。 以上の結果から、窩壁との接着性とフロアブルレジンの外形変化と内部での流れとの関連性を初めて明らかにした本研究結果からは,臨床使用に当たっては重合収縮量だけではなく,収縮方向を考慮した積層充填の応用が必要であることが示された。
|