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2012 Fiscal Year Research-status Report

生体活性ガラスと再生促進因子を応用した根尖部歯周組織再生療法の開発

Research Project

Project/Area Number 24592890
Research Category

Grant-in-Aid for Scientific Research (C)

Research InstitutionFukuoka Dental College

Principal Investigator

阿南 壽  福岡歯科大学, 歯学部, 教授 (80158732)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 諸冨 孝彦  福岡歯科大学, 歯学部, 講師 (10347677)
泉 利雄  福岡歯科大学, 歯学部, 准教授 (40248547)
Project Period (FY) 2012-04-01 – 2015-03-31
Keywords根尖性歯周炎 / 再生医療 / PSリポソーム / マクロファージ / 破骨細胞 / 炎症性サイトカイン
Research Abstract

本研究では、ラット根尖病変の実験系を確立し、歯根尖周囲骨欠損部に、生体活性ガラスと再生促進因子であるPSリポソーム(ホスファチジルセリンで作製したリポソーム)を応用することにより、破壊された骨創腔に及ぼす生体活性化ガラスおよびPSリポソーム併用療法の修復機構に関して、多角的かつ総合的に解析を行うことを目的としている。今年度は、PSリポソームの根尖性歯周炎の抑制効果について検討した。また、PSリポソームの作用メカニズムを明らかにする目的でマクロファージならびに破骨細胞に対する作用に関して検討した。実験方法として、ラットの下顎第一臼歯遠心根を抜髄、開放することにより、自然感染による根尖病変の成立を計った。術後7日目に、根管内にPSリポソーム(PS)または生理食塩液(SALINE)を貼薬した。その後、3日および7日目に、根尖病変部におけるサイトカイン(IL-1βおよびTGF-β1)の発現、骨吸収因子であるRANKLおよびTRAPの発現、ならびにマクロファージ、破骨細胞および骨芽細胞の動態について組織化学的に解析した。その結果、 PS群では、SALINE群に比較して、ED1陽性を示すマクロファージの浸潤が多く観察された。PSおよびSALINEの両群において、サイトカイン(IL-1βおよびTGF-β1)の発現は乏しかった。また、RANKLおよびTRAPの発現、破骨細胞数は、両群において少数ではあったが、ややSALINE群の方が多く観察された。一方、PS群の根尖病変はSALINE群に比較して小さく、骨面では多数の骨芽細胞が層状に配列した所見が観察された。
以上のことより、PS群はSALINE群に比較して、炎症性サイトカイン及び骨吸収活性化因子の発現を抑制することにより、根尖部歯周組織の破壊を制御している可能性が示唆された。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

現在、ラット根尖病変の実験系を確立し、Nishikawaらの方法(J Biochem Chem 1990; 265, 5226-5231)に従い作製したPSリポソームの作用メカニズムを明らかにする目的で、根管内にPSリポソームを填入することにより、根尖病変中におけるマクロファージならびに破骨細胞に対する作用に関して検討した。また現在、骨芽細胞および病変部の骨組織のリモデリングについて、アルカリフォスファターゼ活性の発現状態やBMP-2発現細胞の局在について解析を進めており、作製したPSリポソームの効果は、冷室保存で数週間は維持されることが明らかになった。さらに、骨欠損動物モデルを作製し、平均粒子径25~45μmのBAGをPSリポソームとともに填塞することにより、経時的に標本を採取し、試料作製を行っている。

Strategy for Future Research Activity

1) 平成24年度と同様の方法で骨欠損動物モデルを作製する。
2) 根尖部歯周組織再生の環境整備、スペースメーキングを目的として、PSリポソームを骨創腔内に貼付後、異なる粒子径のBAGを留置することにより、再生促進因子併用療法の歯周組織誘導・再生効果について、平成24年度と同様の解析を行う。
3)BAGの性状の違いが骨組織形成に及ぼす影響について検索することを目的として、再加熱処理を施して多孔体とした異なる粒子径のBAGを使用し、平成24年度と同様の解析を行う。
①免疫組織学的検索 免疫細胞の動態とサイトカイン・増殖因子・アポトーシス細胞の発現について特異抗体を用いて、免疫組織化学的解析を行う。
②酵素組織化学的検索
破骨細胞のmarker emzymeである酒石酸耐性酸フォスファターゼ(TRAP)染色、骨芽細胞系細胞のmarker emzymeであるアルカリファスファターゼ(ALP)染色を行なう。

Expenditure Plans for the Next FY Research Funding

次年度では、研究経費を用いて、実験動物を購入するとともに、平均粒子径①25~45μm、45~106μm、③106μm以上の異なる粒子径の生体活性化ガラス(BAG)とPSリポソームの作製を行い実験に供する。また、再加熱処理を施して多孔体とした異なる粒子径のBAGを作製する。免疫染色を施した画像解析に有用なノートパソコンを購入することにより組織定量的解析研究に供する。さらに、消耗品として記載している各種試薬および多数の抗体は、本研究を行うために必須のものである。加えて、本研究の遂行に有益な情報収集と研究成果の発表のための試料収集、学会報告旅費および英語論文の校正費および学会誌投稿料としての使用を計画している。

  • Research Products

    (5 results)

All 2013 2012

All Journal Article (2 results) (of which Peer Reviewed: 2 results) Presentation (3 results)

  • [Journal Article] 破壊された根尖孔でのセメント質形成に及ぼすEmdogainⓇ gelの効果の解明2013

    • Author(s)
      松本典祥, 水上正彦, 春名千英子, 諸冨孝彦, 泉 利雄, 阿南 壽
    • Journal Title

      日本歯内療法学会雑誌

      Volume: 34 Pages: 22-28

    • Peer Reviewed
  • [Journal Article] 熱刺激が歯髄由来細胞の増殖能および分化能に与える影響2012

    • Author(s)
      諸冨孝彦, 北村知昭, 寺下正道, 水上正彦, 松本典祥, 春名千英子, 泉利雄, 阿南 壽
    • Journal Title

      日本歯科保存学会雑誌

      Volume: 55 Pages: 304-312

    • Peer Reviewed
  • [Presentation] 象牙芽細胞様株化細胞への軽度熱刺激による熱耐性誘導機構の解析2012

    • Author(s)
      諸冨孝彦, 北村知昭, 寺下正道, 阿南壽
    • Organizer
      第137回日本歯科保存学会秋季学術大会
    • Place of Presentation
      広島市
    • Year and Date
      20121123-20121124
  • [Presentation] Strontium含有試作Bioactive glassの生体親和性2012

    • Author(s)
      泉利雄, 福田泰子, 板屋圭祐, 春名千英子, 松本典祥, 諸冨孝彦, 阿南壽
    • Organizer
      第137回日本歯科保存学会秋季学術大会
    • Place of Presentation
      広島市
    • Year and Date
      20121122-20121123
  • [Presentation] 熱刺激後に生存する象牙芽細胞様細胞は増殖能と基質形成能が亢進する2012

    • Author(s)
      諸冨孝彦, 北村知昭, 寺下正道, 阿南壽
    • Organizer
      第136回日本歯科保存学会春季学術大会
    • Place of Presentation
      宜野湾市
    • Year and Date
      20120628-20120629

URL: 

Published: 2014-07-24  

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