2012 Fiscal Year Research-status Report
咬合および咀嚼機能と全身姿勢の関連性を解明するための総合的解析
Project/Area Number |
24592893
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
坂口 究 北海道大学, 歯学研究科(研究院), 助教 (90312371)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
横山 敦郎 北海道大学, 歯学研究科(研究院), 教授 (20210627)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 咬合 / 咬合評価 / 姿勢 / 咀嚼運動 / 国際情報交換 / アメリカ |
Research Abstract |
咬合状態の経時的変化を評価する必要性が問われている現在,その指標が明確にされていないことを踏まえて,今年度,まずは,健常者における咬合評価の標準値確立に着手した.健常者30名,患者群15名を被験者に選択した.結果,健常者群の咬合は,患者群と比較して安定しており(健常者群の咬合重心移動の矩形面積373.2 mm2,咬合接触時間0.26秒),前後の咬合接触圧バランスも保たれている(健常者群の前方咬合接触圧分布値50.62%,後方咬合接触圧分布値49.38%)ことが分かった.次に,咬合と姿勢の関連性が客観的に明示されるまでには至っていない現状を踏まえて,姿勢の変化に伴う咬合接触の時系列解析を行った.健常者30名を被験者として,水平位,座位(頭部固定),座位(頭部固定無し),立位の4つの姿勢において咬合接触圧分布測定を行った.最初の咬合接触から咬頭嵌合位に至るまでの咬合接触状態を連続的に評価した結果,咬合接触の安定性は,水平位と頭部固定した座位では同等で,頭部固定のない座位,立位となるにしたがい不安定になることが分かった.前後の咬合接触圧バランスは,水平位,頭部固定した座位,頭部固定のない座位,立位となるにしたがい,前方へ偏位することが分かった.さらに,これまでに立位における咀嚼運動が客観的に評価されていないことを踏まえて,座位と立位における咀嚼運動の比較検討を行った.結果,立位における咀嚼運動は,習慣性および非習慣性咀嚼側間に機能的差異を認めないことが分かった.座位と立位における咀嚼運動の運動経路と運動リズムの安定性は,同等であることが明らかになった. 次年度は,今年度に得た基礎データをもとに,咬合および咀嚼機能と全身姿勢との関連性を解明するために,咬合,咀嚼運動,咀嚼能力,全身と頭部の姿勢および重心動揺,身体機能の相互の関連性を示すデータを蓄積していく予定である.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
今年度は,所属研究室の引越しがあり,本研究実施スペースの縮小が余儀なくされた.したがって,広い空間スペースを必要とする本研究の遂行に当たり,必要な機器の購入,および現有システムのバージョンアップが思うように行えなかった.結果として,交付申請書に入力した本年度の研究実施計画に対して,やや遅れているという自己点検評価となってしまった.
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Strategy for Future Research Activity |
現状,今年度問題となった研究スペースの確保に目処が立ったので,必要な機器の購入と現有システムのバージョンアップを図り,今後は交付申請時に提出した研究実施計画にしたがって本研究を推進していく予定である.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
今年度は,所属研究室の引越しがあり,本研究実施スペースの縮小が強いられた.その結果,広い空間スペースを必要とする本研究の遂行に当たり,必要な機器の購入,および現有システムのバージョンアップが図れなくて当該助成金が生じてしまった.したがって,次年度では,翌年度分として請求した助成金と併せて,交付申請時に予定していた機器とシステム(赤外線リング照明装置,表面筋電計システム,長時間録画ユニット)の購入,および現有システムのバージョンアップを図り,本研究を推進していく予定である.
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Research Products
(4 results)