2014 Fiscal Year Annual Research Report
咬合および咀嚼機能と全身姿勢の関連性を解明するための総合的解析
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24592893
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
坂口 究 北海道大学, 歯学研究科(研究院), 助教 (90312371)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
横山 敦郎 北海道大学, 歯学研究科(研究院), 教授 (20210627)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 咬合 / 咀嚼運動 / 全身姿勢 / 頭部動揺 / 体幹動揺 / 身体重心動揺 / 国際情報交換 / アメリカ |
Outline of Annual Research Achievements |
頭部の協調運動を伴う咀嚼運動が,頭部動揺,体幹動揺,身体の重心動揺に及ぼす影響を検討することは,顎口腔機能と姿勢制御の関連性を解明するうえで有意義である. そこで本年度は,咀嚼運動と全身姿勢の関連性を解明するために,昨年度までの解析に頭部動揺と体幹動揺の解析を加え,咀嚼運動が頭部動揺,体幹動揺,身体の重心動揺に及ぼす影響について検討した.被験者には,これまでの報告と同様に,機能的な安定性が報告されている咀嚼運動経路を有する者を選択した.頭部と体幹の動作解析では,咀嚼時における頭部と体幹動揺値はともに,下顎安静位と咬頭嵌合位の時よりも小さかった(p<0.05).身体の重心動揺は,1.咀嚼時における足底荷重中心移動の総軌跡長と単位面積軌跡長は,下顎安静位と咬頭嵌合位の時の値よりも短かった(p<0.05).2.咀嚼時における足底荷重中心移動の外周,矩形,および実効値面積は,下顎安静位と咬頭嵌合位の時の値よりも小さかった(p<0.05).3.前後・左右の足底荷重分布値は,下顎安静位,咬頭嵌合位,咀嚼時の3条件間に有意差は認められなかった.以上の結果から,下顎安静位や咬頭嵌合位を保持した時と比較して,機能的に安定性した咀嚼運動経路を有する者の咀嚼運動時には,身体の重心動揺の前後,左右のバランスには影響を及ぼさないが,頭部動揺,体幹動揺,身体の重心動揺が小さくなることが分かった.したがって,咀嚼運動は,姿勢制御に影響を及ぼして,頭部と体幹の動揺が小さくなり,姿勢の安定性を高める可能性が示唆された. 今後も「咬合および咀嚼機能と全身姿勢の関連性解明」の一端を担うべく,下肢を含めた動作解析や筋電図学的解析も加えて,生体のダイナミックな現象である咬合,咀嚼運動,頭部動揺,体幹動揺,身体重心動揺の関連性を示す客観的データの蓄積およびデータベースの構築を目指す.
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Research Products
(4 results)