2014 Fiscal Year Annual Research Report
可視光励起型低濃度過酸化水素ラジカル殺菌技術を搭載した義歯洗浄器開発と臨床評価
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24592901
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
菅野 太郎 東北大学, 歯学研究科(研究院), 助教 (30302160)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | ヒドロキシルラジカル / 義歯洗浄 / 過酸化水素 / 可視光照射 |
Outline of Annual Research Achievements |
これまでの研究で、活性酸素の一種であるヒドロキシルラジカルを応用した過酸化水素光分解殺菌技術の強い殺菌効果を、試作義歯洗浄器を用いて明らかにした。また、過酸化水素の光分解だけでなく水の超音波分解でもヒドロキシルラジカルが生成されることが知られており、その効果を検証する研究も行ってきた。義歯洗浄器の臨床研究に先立ち、より低濃度の過酸化水素を用い短時間で洗浄が行えることが望ましく、上記の2つの生成系を併用できればその要件を満たすことが可能になると考えた。そこで本年度は、過酸化水素の光分解ならびに水の超音波分解におけるヒドロキシルラジカル生成系の併用がヒドロキシルラジカル生成動態および殺菌活性に及ぼす影響を評価することを目的とし研究を行った。ヒドロキシルラジカル生成動態の分析の結果、超音波照射では過酸化水素濃度に関係なく一定量のヒドロキシルラジカルが生成されたのに対して、光照射では過酸化水素濃度に依存したヒドロキシルラジカル生成が認められた。また両者の併用によってヒドロキシルラジカル生成量は増加しており、過酸化水素光分解に対して超音波照射は相加的に作用していることが示唆された。また、殺菌試験では超音波照射のみでの殺菌効果は認められなかったが、過酸化水素光分解に超音波照射を併用することで殺菌効果が増強されることが分かった。本殺菌システムを分散分析で検定したところ、過酸化水素光分解と超音波照射の併用で相乗効果が得られることが分かった。以上の結果より、過酸化水素光分解と超音波照射を併用することで殺菌効果を増強でき、殺菌処理時間の短縮および過酸化水素濃度の低減化につながることが示唆された。
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Research Products
(15 results)
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[Journal Article] Synergistic interaction between wavelength of light and concentration of H2O2. in bactericidal activity of photolysis of H2O2.2015
Author(s)
Toki, T., Nakamura, K., Kurauchi, M., Kanno, T., Katsuda, Y., Ikai, H., Hayashi, E., Egusa, H., Sasaki, K., Niwano, Y.
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Journal Title
J Biosci Bioeng.
Volume: 119
Pages: 358-362
DOI
Peer Reviewed
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[Journal Article] Postantibiotic effect of disinfection treatment by photolysis of hydrogen peroxide.2014
Author(s)
Odashima, Y., Nakamura, K., Ikai, H., Kanno, T., Meirelles, L., Sasaki, K., Niwano, Y.
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Journal Title
J Chemother.
Volume: 26
Pages: 92-100
DOI
Peer Reviewed
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[Presentation] 活性酸素2014
Author(s)
中村圭祐,菅野太郎,猪飼紘代,庭野吉己
Organizer
日本防菌防黴学会第41回年次大会
Place of Presentation
東京
Year and Date
2014-09-25 – 2014-09-26
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