2013 Fiscal Year Research-status Report
高付加型ポリリン酸を用いたインプラント周囲炎骨欠損に対する再生療法
Project/Area Number |
24592918
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
土井 一矢 広島大学, 医歯薬保健学研究院(歯), 助教 (80444686)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森田 晃司 広島大学, 大学病院, 助教 (30555149)
呉本 晃一 広島大学, 医歯薬保健学研究院(歯), 助教 (90319583)
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Keywords | ポリリン酸 / インプラント周囲炎 / 人工骨 |
Research Abstract |
本年度は汚染インプラント表面に対する各処理法が骨形成に及ぼす影響をin vitroにて検討を行った. チタンプレート上にActinobacillus actinomycetemcomitansの播種(1X10*8/ml)し,4時間の嫌気的培養を行い,汚染チタンプレートを作成した.この汚染チタンプレートに対して各表面処理;①bTCPブラスト処理+生理的食塩水洗浄,②bTCPブラスト処理+リン酸処理,③bTCPブラスト処理+ポリリン酸処理,をそれぞれ行った.その後,各改質プレート上にマウス骨芽細胞様細胞を播種(1X10*6)し,骨分化誘導培地にて培養を行った(培養期間1,5,10,14および21日).骨形成の様相はALP活性測定,細胞ALP発現量測定およびアリザリンレッドS染色にて行った.ALPおよびALP測定結果より,bTCPブラスト処理+リン酸処理およびbTCPブラスト処理+ポリリン酸処理はcontrol(bTCPブラスト処理+生理的食塩水洗浄)に対して有意に高い値を示した.またアリザリンレッドS染色による石灰化度の観察では,ポリリン酸処理群はリン酸処理群に対して同程度の濃染状態を示していた.これらの結果より,汚染チタンプレート表面に対するポリリン酸による表面処理はリン酸処理と同等の骨形成に対する改質効果を示した. また,来年度のin vivoの実験のため,雄性ビーグル・ラブラドールイヌ4頭の小臼歯部(P4)の抜歯を行い,インプラントの埋入を行い,実験的ポケットを付与し,インプラント周囲炎欠損モデルを準備した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
in vitroにおいてポリリン酸を用いたチタン表面改質法は,骨芽細胞の増殖および分化に対して肯定的影響を及ぼすことが確認できている.また,インプラント周囲骨欠損モデルの作成も当初の予定通りに遂行できている.
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Strategy for Future Research Activity |
平成25年度に準備しているインプラント周囲骨欠損モデル動物を用いてin vivoでの検討を行う予定である.露出している両側部の各インプラントスレッド部に対してbTCPブラスト処理+ポリリン酸処理を行った後,欠損部位に対して①ポリリン酸吸着多孔性アパタイト,②多孔性アパタイト,をそれぞれ埋入し,12週後に組織ブロックを採取する.評価法として組織学的観察,組織形態計測(骨・インプラント接触率,骨再生面積率)を行う.これらの結果から,インプラント周囲炎欠損部位に対する有効な再生療法の確立を目指す.
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Research Products
(3 results)