2012 Fiscal Year Research-status Report
メカニカルストレスによる顎堤の骨吸収メカニズムの解明
Project/Area Number |
24592921
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
諸井 亮司 九州大学, 大学病院, 助教 (70325471)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
坂井 貴子 九州大学, 大学病院, 講師 (60128022)
牧平 清超 九州大学, 歯学研究科(研究院), 准教授 (80304450)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 骨吸収 / メカニカルストレス / RANKL / 破骨細胞 |
Research Abstract |
抜歯後の歯槽骨レベルの低下、義歯床下の顎堤の骨吸収、歯周病やインプラント周囲炎による歯槽骨吸収を抑制することは補綴処置を長期間成功する上で重要である。骨の恒常性は様々な因子によってバランスが取られているが、このバランスが崩れると骨吸収に傾く。外来刺激による骨吸収や炎症性骨吸収では、破骨細胞が活性化され骨吸収が促進されていると考えられている。この破骨細胞を主に活性化する因子がRANKLである。このRANKLは骨芽細胞をはじめ歯肉上皮細胞やT細胞、B細胞などが恒常的または刺激に反応して発現している。さらに最近、骨芽細胞と破骨細胞の相互作用にEphB4とephrinB2の結合の重要性が指摘されている。そこで本研究では、骨の恒常性を保っている因子のなかで特に補綴領域に関連したメカニカルストレスによる破骨細胞の反応(RANKとephrinB2分子の発現)と骨芽細胞におけるRANKLとEphB4発現機構を解析する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
RNAレベルとタンパク質レベルでの解析を予定していたが、本年度はRNAレベルでの解析のみとなった。現在、タンパク質レベルでの解析のための予備実験を開始していることから、若干遅れ気味ではあるが円滑に実験が進行していると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
平成25年度は、平成24年度に完了しなかったタンパク質レベルでの解析を行うと同時に、周期性伸展刺激の破骨細胞への影響についても検討する。実験の項目が増加するため、研究補助者を増員することによって細胞培養などの効率化をはかり、研究を遂行する予定である。2年間で得られた結果をとりまとめ、成果発表を関連学会で積極的に行う予定である。また、成果発表時に同じフィールドの研究者と討論し、今後の研究に生かしていく。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
自己点検で述べたように、平成24年度に完了しなかったタンパク質レベルでの解析を平成25年度に行うため、経費の一部を繰り越すこととする。 平成25年度は主に骨吸収を起こしやすいと予想される周期性伸展刺激の条件を検討する。この予想条件下で平成25年度は破骨細胞を培養し、周期性伸展刺激が破骨細胞の分化に与える影響について検討する。具体的には可溶性のRANKL添加によって破骨細胞へと分化するRAW264.7細胞に、周期性伸展刺激を負荷する。周期性伸展刺激を負荷した培養破骨細胞よりRNAおよびタンパク質を抽出し、破骨細胞の分化マーカーであるTRAP、cathepsin KおよびDC-STAMPの発現様式を比較検討する。さらに、骨芽細胞が発現するEphB4と深い関係があると言われているephrinB2の発現を詳細に検討し、破骨細胞の分化マーカーの発現と比較検討する。
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Research Products
(2 results)